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シュートの物理学 なぜループがかからない?

こんにちは

今回のテーマは、シュートの物理学の第2回「なぜループがかかない?」です。

以前、ループの重要性についてお話しましたが、今回はループがかからない理由についてです。

単に力が足りないからといってしまえばそれまでですが、そこにメスを入れてみましょう。

特にミニバスの指導者の方にとっては重要な要素になるのではないでしょうか。

正しいシュートフォームにとっても重要な要素になってきます。

 

垂直方向と水平方向

まずは、ボールに加わるの話からです。

物体が移動するには何かしらの力が必要になります。

バスケのシュートでいうこの物体とはボールになるわけですが、このボールが空中に投げ出されるということは、

それなりの力がボールに加わっているということになります。当然ですよね。

問題は、このボールにどのような力が加わっているかということです。

力というものは、方向をもっています。

詳しい説明はその道の専門家に委ねますが、例えばある物体が動いたとき、その物体に働いた力を分析する方法があります。

それを力の合成・分解などというのですが、つまりこの物体にどのような方向にどれくらいの力が加わったか分かる方法があるということです。

これを理解すると、ボールの軌道を見て、大体の力の方向とその大きさがわかるようになります。

図でみてみましょう。

ボールは放物線を描くということは以前お伝えしましたが、空間中にあるボールにずっと放物線の力が加わり続けるわけではありません。

力が加わるのは、ボールと手が接触している間です。

つまり、手からボールが離れる瞬間に加わる力によって、そのボールの運命は決まります。

放たれた後は、手から伝えられた力の作用によって空間中に飛び出し、重力にしたがって落ちてくるだけです。

図では、この放たれる瞬間にボールに加わる力を示しています。(斜めの矢印)

これを分析してみます。

この斜めの力を垂直方向と水平方向に分解してみると…

つまり、このボールは、垂直方向水平方向の力が合わさることによって斜めに飛んだ、ということがわかります。

 

上向き矢印 ↑ が垂直方向の力

横向き矢印 → が水平方向の力

斜めの矢印はこの2つの力を足したもの

 

次の分析は、どれくらいの力で?という問題に対してです。

物理学では、力の大きさをこの矢印の長さで示すことができます。

どういうことかというと、

このように、斜め矢印を分解する際に、垂直方向が長くなる場合と、水平方向が長くなる場合がありますが、

これはまさに、その長い方の力がより多く加わったと考えることができます。

つまり、高く上がるボールには垂直方向の力がより多く加わり、ロングパスのようなボールには水平方向の力がより多く加わっているということです。

イメージできますでしょうか。

ループがかからないシュートは水平方向の力が優先されているということができます

 

子どものシュートフォーム

さて、理論の話ばかりではつまらないので、シュートの話をします。

ループのかからないシュートの代名詞といえば、ミニバスのシュートではないでしょうか。

特に初心者の子どもはボールをリングにぶつけるように投げますよね。

力の分解の話でいえば、まさに水平方向の力がより多く加わったシュートであると言えます。

ここでやっとこう言えます。「力が足りないから」と。

もっといえば、垂直方向の力が足りないからですよね。

なぜでしょうか。

つまり、筋力が絶対的に少ない子ども達にとっては、シュートにおいて力を垂直方向に加える余裕が無いのです。

子どもにとってのシュートとは、「重いボールを高いリングに入れる」という課題であり、

まずはリングにボールを届かせることを優先してシュートを学んでいきます

そのため、水平方向に力を加え、より遠くにボールを飛ばすという戦略でシュートをうってしまうのです。

この戦略がミニバスのうちに染み付いてしまった選手は中学、高校でもループが低い傾向があります。

そして、こういった選手には「ある特有の身体の使い方」があります。つまりフォームですね。

シュート分析をしてきた私はパッとみただけでわかります。ちなみに、BJリーグの選手にも沢山います。

ループを見るだけでそのボールにどのような力が加わっているかを予想する

 


いかがだったでしょうか。

ループがかからない理由について物理学を通してイメージできたでしょうか。

特にミニバスにおいては、チームとしてシュート練習をするのであれば、ループをかける余裕のある位置からのシュートを沢山することをおすすめします。

水平方向の力に頼ったシュートはループがかかりづらいこと横ずれが多くなることが分析によってわかっています。

さらに、将来もそういったシュートになってしまう可能性が非常に高いです。

もう一度シュート練習を見直してみても良かもしれません。

長文失礼いたしました。

 

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