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Case 2 腰痛

今回も体育館で出会った選手。

腰痛持ちの男子高校生です。

ケース情報

  • 年齢:高校1年生
  • 性別:男の子
  • 競技:バスケットボール
  • ポジション:ガード
  • 練習頻度:週7回 3時間程度 たまにOFFあり
  • これまでの怪我:昔から腰痛あり
  • 訴え:練習時、練習後の腰痛。長時間歩いていても痛くなる

経緯

昔から腰痛があった。
腰痛で休むほど痛くなったことはないが、練習中、練習後は痛くなる。

いつ痛くなったかわからない。

自覚した頃から接骨院に通い、腰に電気やマッサージの治療をしてもらっていた。

腰痛になる体質だと言われ、しかたないものだと思っていた。

病院に行ったことはない。

部活は休みたくない。

接骨院で教わったテーピングをすると少し良い気がするが、痛いことに変わりはない。

偶然、体育館に現れたサッポに相談。

 

身体の情報

痛み

  • 腰の痛み(真ん中ではなく、やや側方)
  • 両背筋部に圧痛あり
  • 腰をそらす動作で痛みが生じる
  • 炎症所見(熱感、腫脹、発赤)はなし。
  • その他:股関節かたい、腹筋弱い

可動域

  • 腰の曲げ伸ばし(前屈・後屈):伸ばしの最終域で痛みあり。曲げは痛み無いが、戻ってくるときに痛い。
  • 股関節:全体的に硬い。特に伸展(後ろに伸ばす動作)。
  • その他:大腿直筋、腸腰筋かたい

筋力

  • 弱い筋肉 腹筋、大殿筋
  • 強い筋肉 背筋、大腿四頭筋

動作の特徴

立位姿勢において腰がそっている。

歩き、走り、ジャンプ動作において腰をそらす動作が目立つ。

シュートなどの動きにおいても同様の傾向がある。

 

治療方針

  1. ヘルニアや腰椎分離症などの疾患の可能性を考慮
  2. 痛みは腰背部筋の過剰な収縮が原因である可能性が高い
  3. 腹筋の弱さが弱さがある。
  4. 体幹が弱く、背中がそりやすい。
  5. 股関節の前面が非常にかたい

身体の情報からこのケースでは上記5つのことが言える。

炎症はなく、急激な疼痛の悪化もないことから、安静ではなく動作修正の治療を行う必要がある。

背筋を使わせるような動作を行わせると痛みの再現性があり、収縮を伴わなければ痛みは生じないことから、痛み部位は筋肉である可能性が非常に高い。

マッサージで楽になるとは思うが、それでは動きの変化は起こらない

このことからも動作修正のためのエクササイズを指導するべきであると考える。

まずは、動きすぎる(そりすぎる)腰椎を固定するための体幹筋力強化と、腰椎が動きすぎる原因である股関節の柔軟性の獲得をする必要がある。

その後、様々な動作において背筋だけではなく、腹筋臀筋(お尻の筋肉)を使った動作を再学習させる。

治療

接骨院での治療は継続しつつ、

  • 股関節のストレッチ(大腿直筋、腸腰筋)
  • 腹筋、大殿筋の筋力トレーニング

を指導。

練習は休まなくても良いので、自主練習を徹底して行うことしびれや急激な痛みの増悪があれば休むこと を選手と約束。

 

治療経過


2週後に体育館に訪れ、身体の状態を再度チェック。

背筋に圧痛はあるものの、背筋を使った動作での痛みが消失。

練習中の痛みはなくなり、練習後には時々痛いこともあるとのこと。

腰椎をそらす原因となっていた、股関節の硬さ、臀筋の弱さは大きく改善。

よくストレッチしてくれたんだなぁ!と感激。

やはり、柔軟性はやれば短期的に改善することを実感した。

腹筋の方はまだまだトレーニングが必要。

様々な姿勢で負荷をかけると、得意な背筋がギュッと収縮してくる。

それはそうだよね、ずっとこの背筋で頑張ってきたんだから。そう簡単にこの癖は抜けないだろう。

この修正にはまだ時間ががかりそうだが、この2週間でおそらくこの背筋が頑張る頻度が減少したのだろう。

こういった痛い筋肉の頑張る頻度を減らしていく、という治療は、筋疲労が原因の痛みにとってはかなり有効であると思う。

これはマッサージなどのリラクセーションだけではできない治療となる。

この日は体幹トレーニングの応用編を指導。もちろん股関節のストレッチは継続を約束した。

とりあえず、痛みなくバスケができて良かった…。
でも油断は禁物!

 

まとめ

さて、腰痛は厄介な痛みの1つですよね…。

腰痛持ちの選手の印象としては、やはりみな股関節が硬いです。

程度はそれぞれあれど、股関節が硬いと、その硬さを腰椎が代償することにつながってしまうで、

この代償が筋疲労を誘発したり、微細損傷を積み重ねたりするわけです。

今回のケースはそれが筋疲労であったということです。

しかし、これがもっと若年の選手であれば、腰椎分離症といって、腰椎に疲労骨折を起こす可能性もある危険な身体の使い方であると言えるでしょう。

とくにバスケットにおいて、股関節の硬さはケガやパフォーマンスにとって致命的です。

この腰椎と股関節の関係はいずれ記事にする予定ですので、待っていてください。

長文失礼いたしました。

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