
こんにちは。
今回のテーマは「痛みの役割」です。
日々感じることのある痛みですが、その役割について考えたことはありますか?
痛みは生物にとって、とても重要なサインです。
その解釈の仕方について少しアドバイスをさせてください。
痛み
そもそも痛みとは何なのでしょうか。
普段何気なく感じていますが、そのメカニズムまで考える人は少ないと思います。
体育館でよくある痛み、足関節捻挫から簡単に痛みのメカニズムについて考えてみましょう。
ぐりッ!! 「いてっ!!足捻った!」
さあ、足首に痛みが出ました。
痛い部位は足首ですが、痛みを感じているのは脳です。
つまり、足から脳まで痛みが伝達されているということです。
まずは、3つの痛みについて知ってください。
1つ目は、ぐりッと捻ったときに、足の靭帯や筋肉などの組織に急激なストレスが加わることで、それを痛みと脳が感じるというものです。
経験ありませんか?
足首を捻って、ものすごく痛く感じたのに、30分後には問題なくバスケができて、次の日も全く痛くないという現象です。
私もあります。その瞬間は「これはヤバイ…!」って思うんですが、「そうでもなかったわ…」となるやつです。
何回も捻挫を経験している人ほどなるような、ならないような…。
これも、脳が痛みと判断しているので、間違いなく痛みです。
2つ目は、足の靭帯や筋肉などの組織に急激なストレスが加わったことにより、組織を損傷することで生じる痛みです。
組織を損傷すると、その付近に炎症が生じます。
これを急性炎症といいますが、この炎症が脳に痛みのサインを送ります。
炎症の場合は、腫れる、赤くなる(発赤)、熱くなる(熱感)が生じるので、本格的に「これはやばい」と思うはずです。
この急性炎症はだいたい7日間以内というように考えられています。
つまり、急激な腫れや熱感は1週以内には大体が治まります。
3つ目は、慢性炎症による痛みです。
急性炎症は1週程度で治まりますが、慢性炎症は1週以上持続するの炎症と考えることができます。
急性炎症が治まり、腫れや熱感がほとんどなくなっているのに、痛い、という痛みは慢性炎症のよる痛みであると解釈していただいて構いません。
(厳密に言うと、慢性炎症の定義や病態はもう少し複雑ですが、専門家でないならばこの解釈で問題ないと思います。)
練習すると痛い、練習の後に熱くなる、といった微妙な痛みが持続するという状態です。
この3つの痛みで重要なのは、2つ目と3つ目の痛みで、それぞれ対応が異なるということです。
2つ目の急性炎症は、ご存知の通りRICE療法が基本です。
つまり、安静が必要になります。
これを怠ると、これはこれで大変なことになりかねません。
3つ目の慢性炎症は、まず急性炎症が治まっていることが重要です。
そして、組織もある程度修復しているにも関わらず、そこに炎症が持続するということに目を向ける必要があります。
特別な病態がない限り、多くの慢性炎症は患部への運動負荷が影響しています。
例えば捻挫であれば、内反・外反型の捻挫がありますが、急性炎症後も歩きやジョギングにて同様のストレスが加わっている可能性があります。
そこに動きの修正が入らなければ、患部の炎症は治まりづらくなる、というイメージはつくのではないでしょうか。
捻挫の病態やリハビリについては今後記事を書く予定でいますので、少々お待ちください。
痛みの役割
さあ、3つの痛みの種類を簡単に書かせていただきましたが、この痛みにはどのような役割があるのでしょうか。
これは生物として、生きていくために必要だからです。
例えば、捻挫でも骨折でも良いのですが、この時に痛みを感じなかった場合どうなるでしょうか。
もし痛みを感じないとすると、組織が損傷していることに気づくことができません。
そのまま走ったり、ジャンプしていれば、組織はさらに壊れていく可能性があります。
つまり、痛みとは自分を守るための重要な機能であると言えます。
スポーツをしていると、痛みとは悪いものであると考えがちですが、その痛みは身体からのサインなのです。
その痛みがスポーツ障害による痛みであれば、悪い身体の使い方をしているサインかも知れません。
選手や、指導者、保護者はこの痛みについて考える必要があると思います。
なぜ痛いのか、どこが痛いのか、痛みの種類は、その痛みの意味は…?
もう一度痛みと向き合ってみてください。
さて、
痛みについて考えていただけたでしょうか。
例えば、痛み止めの薬などがありますが、それを服薬することで痛みは消えるでしょう。
しかし、その痛みの意味は何だったのでしょうか。
良い、悪いの話ではなく、もう一度考えていただけると当ブログBMSLとしては非常に嬉しいです。
長文失礼いたしました。