
こんにちは。
BMSL(@Basketball_MSL)です!
今回のテーマは、「股関節前面のストレッチ」です。
選手にとって、腰痛や膝痛に関係してくる股関節は、柔軟性を保ちたいものです。
さらに、柔軟な股関節はパフォーマンス(ジャンプ、ダッシュ)向上の源です。
大殿筋のストレッチとともに、是非やってみてください!
股関節前面の解剖学
さて、股関節前面のストレッチといっても、どのような組織がどの様についているのかを理解することは重要です。
図でみていきましょう。
まずは、骨です。
股関節は骨盤、大腿骨(モモの骨)で構成されています。
骨盤の関節面はカップ状になっていて、そこに大腿骨がはまり込む形です。
ここに筋肉をつけてみます。
股関節の前面には、たくさん筋肉がついています。
大腰筋、腸骨筋、大腿直筋、縫工筋などがそうです。
これらの筋肉は起始と停止(筋肉がどこからどこについているか)から考えると、股関節を曲げる(屈曲)方向に働く筋肉です。
つまり、これから行う股関節を後ろに動かすストレッチで伸ばすことができる筋肉です。
しかし、股関節は骨と筋肉だけで構成されているわけではありません。
関節包、靭帯という比較的硬い軟部組織によってサポートされています。
これが、股関節を包んでいる関節包と靭帯です。
人体の中でも最強クラスの強度を誇る軟部組織であると言われています。(もちろん動くための余裕はあります)
ストレッチでは筋肉が注目されがちですが、股関節の運動を伴うということは、図のような関節包や靭帯にも伸長ストレスが加わるということを意味します。
この解剖的知識を逆に捉えると…
関節包や靭帯も、伸長ストレスが加わる機会が減れば(ストレッチをしなければ)、硬くなっていくということです。
つまり、関節運動を伴うストレッチでは、筋肉だけでなく、その奥の関節包などの組織にも良い影響が出せるのです。
障害予防、パフォーマンスの向上、もうストレッチをやらない理由はない!
・関節を動かすことで、その周囲の組織がまるごと伸ばされている
股関節前面のストレッチ
さて、具体的な方法を見ていきます。
姿勢は単純です。
ランジのような姿勢で、股関節の前面を伸ばしていきます。
ストレッチの原理で言うと、動かす部位はモモで、止める部位は骨盤と腰椎です。
特に注意してほしいことは、モモを後ろに引いていく際に、腰椎(背骨)を絶対にそらさないということです。
股関節の前面が硬い人は、必ずと言っていいほど腰椎をそらして代償します。
この動きは腰痛を生じさせる原因になります。
腰がそりやすい人は、反対の足を前に出すことを意識すると良いでしょう。
ストレッチから「体幹を固定し、脚を動かす」という意識を持っておくことは非常に重要です。
まずは、腰をそらさずに、股関節の前の伸長感を感じてください。
そしてさらに、
その姿勢のまま、腹筋と大殿筋(お尻の筋肉)に意識的に力を入れてみてください。
さらに伸長感が強まるのが…わかっていただければ大成功です。

まとめ
いかがだったでしょうか。
ストレッチは他動的(力を入れずに身を任す)のイメージがあると思いますが、
特定部位を効率的に伸ばしたい場合は、固定部位を意識的に固めることが重要なポイントになります。
今回の場合では、腹筋を収縮させ腰椎を固定させる、ということですね。
これにより、動く部位が股関節に限定され、その結果、前面の組織がより伸長されるわけです。
特にスポーツ動作に向けたストレッチでは、自ら固める部位を固めるということ自体がよいエクササイズとなるでしょう。
是非トライしてみてください!