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前十字靭帯損傷後のリハビリテーション

こんにちは。

今回は「前十字靭帯損傷後のリハビリテーション」についてです。

具体的な疾患についての記事になります。

 

前十字靭帯損傷とは


バスケットをしていれば一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

前十字靭帯(Anterior Cruciate Ligament 以下ACL)とは膝の関節内にある靭帯です。

膝関節の中央にあり、関節運動の軸として重要な役割を担っている靭帯です。

具体的にどのような役割かと言うと、

①脛骨(スネの骨)が前にズレていかないように制動すること

②脛骨が大腿骨(モモの骨)に対して内側にねじれないように制動すること

をしてくれています。

なので、このACLを損傷すると大腿骨と脛骨がうまく合致しなくなり、膝崩れといってガクッと膝がズレるような症状が出ます。

この膝崩れは大腿骨と脛骨が亜脱臼のような状態になっているそうです。考えるだけでも恐ろしい…。

損傷といっても完全に断裂しているものから、少し傷んでいる程度のものまでありますが、

その診断は医師によるMRI靭帯の緩みを調べる特殊な検査によってなされます。

ACL損傷の疑いがある場合は、必ずMRIのある整形外科へ受診することをおすすめします。

 

前十字靭帯(ACL)が機能しないと、大腿骨と脛骨が不安定となり、亜脱臼を起こす

診断にはMRIによる画像診断が必要

リハビリの必要性

ACL損傷の診断が出た場合、リハビリの必要性が生じます。

昔はギプスなどで固定していたようですが、最近では固定せず早期に曲げ伸ばしの可動域をもとに戻すことを目指します。

ケガの直後は腫れや痛みが強く膝の曲げ伸ばしが困難であることが多いですが、適切に対応すれば、これは1週間もすれば落ち着きます。

適切な対応とは、急性炎症に対するRICE処置です。

アイシングなどはスポーツをやっていれば当然のこととしてやると思いますが、意外と重要なのがRICEのRです。

RRestで、患部安静を意味する言葉です。

アイシングしているときだけ安静にすればよいのかと言うとこれは間違いで、

特に膝の怪我の場合は体重をのせること自体がかなりの負担となります。

急性炎症中の膝は、腫れにより力が意識的に入らないこと痛みにより正常ではない筋肉の緊張が生じることにより、

膝の可動域が著明に制限されます。(曲がらず、伸び切らない状態)

その状態で体重をのせて歩いてしまったり、普通に生活してしまったりすると痛みは長引き膝は曲がったまま固まってしまいます

そうなると、もとの可動域に戻すのにとても苦労することになります。

なので、膝がしっかり伸びて、モモの前の筋肉に力が入るようになるまでは患部安静を保つために松葉杖などでの生活が必要になります。

歩けるからといって、膝が曲がったまま引きずりながら歩かないようにしましょう

 

ACL損傷はギプスで固定せず、早期に可動域の獲得を目指す

曲がったまま、力が入らないまま、生活をすることは状態を悪化させる

 

バスケットへの復帰には

ACL損傷により、靭帯がその重要な役割を果たしていない(緩みがひどい、断裂している)という診断が出た場合、バスケットへの復帰はどうすればよいのでしょうか。

残念ながら、この役割を果たせない靭帯のままバスケットへ復帰することは、かなり厳しいと言われています。

実際に私も病院でこういった症例を担当したことがありますが、(ACL断裂後保存療法で復帰を目指した症例)

テーピングサポーターさらに徹底した筋トレ動作練習をしても、試合中に膝崩れを起こしました。

やはり、この靭帯が膝の安定性に貢献している割合は非常に大きなものがあるようです。

ちなみに、マラソン等のステップ、ターンのないスポーツでは膝崩れなく復帰した例はあります。

この選手は、40代のバスケ選手であったため競技レベルを落としてバスケに復帰していきましたが、

この靭帯なしで競技としてのバスケット復帰は厳しいということはわかってただけたのではないでしょうか。

現在の医療現場ではACLが機能しなくなった場合、競技復帰を目指すのであれば手術によって靭帯を再建するというのがスタンダードとなっています。

靭帯再建の手術手技には有名な2つの方法があるのですが、これはまたの機会にしましょう。

前十字靭帯がその役割を果たしていないことを「ACL機能不全」と呼ぶことがあります

 

手術が決まったら

さて、手術をうけることが決定した場合、ただ漫然と手術日を待っているわけにはいきません。

なぜならば、手術前の膝の状態が良いほど術後の状態が良いというデータがあるからです。

これも医療現場では当然のこととされています。

膝の状態良いとは大まかに言えば、「可動域」と「筋力」が良い、ということです。

可動域の条件は、膝が真っ直ぐに伸びていること痛みなく膝がよく曲がることであり、

筋力の条件は、膝を伸ばした状態でモモに力がはいること日常生活で困っていないこと(階段も含め)となります。

つまり、手術までに最低限上記を達成する必要がありますし、達成した場合はさらに筋力をつけておくほうが良いのです。

この手術までの期間は、皆さんが思うより相当に重要な期間となります。

術後の状態をできる限り良い方向にもっていきたいのであれば、徹底してリハビリに励むことをおすすめします

手術前の膝の状態が良い群(曲げ伸ばしがスムーズで筋力も十分)と悪い群(曲げ伸ばしが不十分であり、筋力も落ちたまま)の術後経過を比較した研究は多くあります。そのほとんどが、状態が良い群のほうが経過もよく、復帰も順調、再断裂も少ないという結果になっています。そのため、医師、理学療法士は、できるだけ手術前の状態を良くすることを目指し、術前リハビリを推奨しています。


いかがだったでしょうか。

かなり大まかな話だったので、今後はこれをさらに掘り進めていこうと思います。

ACL損傷とバスケットは切っても切れない関係にあります。

非常に大きな怪我であるため、選手生命に関わるといっても過言ではありません。

その治療から、手術、予防まで細かく記事にしていきますので楽しみにしていてください。

長文失礼いたしました。

 

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