
こんにちは。
足首の捻挫はバスケをしていれば一度や二度は必ず経験があるケガではないでしょうか。
程度は様々ありますが、競技復帰においてチェックしておきたい最低限の可動域を紹介します。
基本的にはセルフで行えるものですが、自分では意外とわからないこともあるので、保護者の方や指導者、仲間にチェックしてもらうことも必要かもしれません。
簡単にできるものなので、現在復帰を目指している選手、過去に捻挫をしたことがある選手は現状プレーできていてもチェックしてみてください。
理想は左右差がないことです。
左右差があっても復帰することはできますが、その原因がわからないまま放って置くことは良いことではありません。
左右差があることも認識できず、改善もせず、プレーに復帰することが最悪です…。
可動域が狭まっているということは、プレーの幅も知らず知らずのうちに狭まっているかも…!?
底屈・背屈の可動域
まずは足首の前後の動きです。
この動きが十分に出ていないと、この後出てくる可動域で代償したりする傾向が出てきます。
これが捻挫の再発につながったり、別部位のケガにつながったりすることがあります。
まずは底屈・背屈の動きのイメージを図で見てみましょう。
底屈とはつま先立ちをするような動きで、背屈はつま先を上げる動きです。
歩きや走りなどでは絶対に必要な可動域となります。
では具体的なチェック方法を見ていきましょう。
まずは底屈です。
図のように正座の姿勢で、足首の動きを確認します。
よくあるのは、この姿勢で足首の後ろの方につまり感が残存している場合です。
アキレス腱周囲などの硬さが残存していると、このような症状が生じやすい印象です。
次に背屈です。
背屈は図の様にかかとが地面についた状態で膝を前に出していきます。
アキレス腱周囲の伸長感があるのはそこまで悪いことではありませんが、前方につまり感が生じるのはまだまだ足首が硬い証拠です。
また、スネの骨が倒れる角度に左右差がある場合もまだ硬さが残存している証拠です。
背屈はとても重要な機能なのでもう少し詳細にチェックしましょう。
次は同じ動作を前方から見てみます。
スネの骨が倒れる方向を見てみて下さい。
左側はつま先の方向と一致してスネの骨が倒れていきます。それに対して右側はつま先よりも内側に倒れています。
正常な背屈は左側の方で、つま先と膝の向きが一致します。
内側に倒れてしまうのは、まだ足首が硬い証拠となります。

キレイに背屈が出ないと、別部位のケガにつながると言ったのはこういったことです。
回内・回外の可動域
次はあまり意識したことのない動きかもしれません。
足首をひねる動きです。
この動きは捻挫の姿勢というイメージかも知れませんが、スポーツにおいては非常によく使う足首の動きです。
足の裏が内側を向くのが回外で、外側を向くのが回内です。
多くの足関節捻挫をした選手は回外が硬いまま(動かすことができないまま)復帰している印象があります。
それにはおそらく理由があって、回外で捻挫(内反捻挫)を引き起こすことが多いために、身体は自然と回外をしないように動きを制限します。
その結果、回外をしない身体の使い方が自然と身についてしまうのでしょう。
先程も言いましたが、回外の動きはスポーツにとって重要な動きです。
可動域の左右差をなくし、その可動域をしっかりと筋肉で制御できるようにならなければ、ケガ前のパフォーマンスに戻ることは難しいでしょう。
では具体的なチェック方法をみてみます。
図のように椅子に腰掛け、スネの骨を地面に対して垂直に立てます。
この垂直を維持したまま、足の裏を内に向けたり、外に向けたりしてみましょう。
いかがですか?意外と難しいと思います。
特に捻挫した法の足は動かしづらいですよね。左右差なく回外の動きが出せますか?
先程も書きましたが、この回外の動きは外反捻挫の動きです。
なので、グイグイと闇雲に可動域を増やすことはオススメしません。
図のように自分の動かせる範囲で徐々に可動域を広げていきましょう。
自分で制御できない可動域が広がってもそれは捻挫の再受傷につながるリスクを高めているだけです。
足の指の可動域
さて、最後に足の指の可動域です。
実は、足首の捻挫でも安静期間を過ごしている内に、足の指が硬くなってしまうことはよくあります。
足首と足の指は共同して働く重要な機能を持っているので、復帰前には足の指も左右差のない可動域を獲得しておきたいですね。
まずは指を反らす可動域からです。
図のように四つ這いからお尻を下げていき、指を反らしてあげましょう。
柔らかければ左右に伸長感や痛みの差はないはずです。
次に曲げる可動域です。
図のように、足の指を握ります。
とても単純な動きですが、足の指の動きの確認は非常に重要です。
タオルギャザーなどのエクササイズを聞いたことがありますか?
握る動きで左右差がある場合は、可動域の不足や握る筋肉の機能不全が疑われます。
いかがだったでしょうか。
「底屈・背屈」、「回内・回外」、「指の反らし・握り」どれも左右差なくクリアできましたでしょうか。
今回のチェック項目は純粋な可動域だけでなく、自らの筋肉を使った動かすチェックもいれてあります。
先程も書きましたが、理想は左右差がないことですが、左右差がなくならなければ復帰してはいけないというわけでもありません。
復帰しながらも、ケガによる左右差を認識し、自らケアしていくことができれば問題ないでしょう。
まずは、このチェックを通じて自らの足の左右差を認識することから始めましょう!
皆様が、痛みの残存や捻挫の再発なく復帰できることをBMSLは祈っております。
長文失礼いたしました。