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Case 7 足関節捻挫術後

今回は体育館で出会った選手です。

ケース情報

  • 診断名:足関節捻挫→前距腓靭帯再建術?
  • 年齢:高校2年生
  • 性別:男性
  • 競技:バスケットボール
  • 練習頻度:週6−7回 3−4時間程度
  • これまでの怪我:捻挫
  • 要望:早期のバスケット復帰

経緯

2018年4月に左足関節を捻挫し手術。

手術の内容は詳細には確認できなかったが、本人の記憶と術創部などから内視鏡による前距腓靭帯再建術をした模様。

一部骨化?した部分もあり、摘出術?も行ったとのこと。時期の詳細はよくわからず。

ギプス固定後、6月(術後2ヶ月)から徐々にバスケット復帰許可されたとのこと。

現在(術後5ヶ月)部活復帰し練習も全参加しているが、疼痛不安感が残存しパフォーマンスが上がらないとのこと。

リハビリは自己判断で通院をやめてしまったため、現在は行っていない。

早くパフォーマンスを上げたいが、足の影響で上手くいかず、体育館に来たサッポに相談。

 

足首の状態

練習中の動きから実際に検査から足首の状態について記載する。

 

練習中の動き

左足をかばったような動きが目立つ。ジョギングのレベルですら左右差がある状態。

レイアップなどの踏み込み動作が左足になると、全く踏み込めず、跳べない。そのためシュートも決まらない。

なんとか練習に参加しているが、パフォーマンスは非常に低く、参加しているだけというレベル。

 

検査

痛み

安静時痛はなし

荷重時痛あり

外くるぶし付近に圧痛あり

足首の可動域

背屈 (右/左) 15°/

回外 (右/左) 30/0

足関節の可動域は著しく低下している状態。特に、背屈、回内にて著明に制限あり。

最終域では外くるぶしの術創部付近に疼痛が生じる。

足が動くこと、動かされることに不安感を自覚し、無意識的に防御性の筋収縮が生じている。

  動画は回内運動を自力でやってもらっている様子。

 

片足立ち検査

右足と比較し、明らかにバランス不良であることがわかる。

足首をアップで見てみると、右足は回内、回外どちらにも動くことができ、小さなバランスの崩れは足首のみで対処することができているが、

左足は回外に潰れたまま動かすことができず、バランスの崩れに対処することができない。

 

全体的な印象

まず、バスケットをするにあたって必要な足首の機能まだ十分には戻っていない状態でした。

可動域や、その可動域を動かすための筋力などが上手くリハビリできておらず、パフォーマンスが上がらないのは当然の状態といえます。

痛みに関しては、熱感や腫脹などはほとんどなく、炎症による痛みではない印象です。

ただ、創部周辺に硬さが残存しており、足首の動きに伴ってその硬さが邪魔をして痛みが生じている可能性が高いと思われます。

実際に足首を動かすと、疼痛の前に不安感が先行し、自ら動かすこともできない状態でした。

足の機能的にはかなり厳しい状況で練習に復帰していたということだと思われます。

 

今後の方針

まずは手術をした病院への通院を再開するように本人と約束しました。

手術の情報や術後経過がわかることはリハビリを実施するに当たり非常に重要なことです。

再度、手術をした病院で復帰の計画を立てることが必要だと説明しました。

指導者にも、週に1回、最低でも2週に1回はリハビリが必要な状態であろうこと、

今はバスケの練習よりもリハビリを優先する時期であることを説明しました。

私が本人のリハビリ担当ではないので難しい問題ではあるのですが、足首の状態と本人の管理能力とを考え再度通院が必要であるという判断をしました。

復帰に関しては、病院の方針・計画をしっかり聞くことを前提とし、

自分の中で足首の可動域、片脚バランスの左右差をなくすことを目指すようにと伝えました。

 

まとめ

本人の訴えである、パフォーマンスが上がらなくて困っているということに関しては、当然と言えるほど足の状態はよくありませんでした。

ケガからの復帰において、練習をしていけば身体が慣れてパフォーマンスが自然と上がっていくという時期は確かにありますが、今回のケースではそれ以前の問題が山積みであり、練習がむしろネガティブな影響を与える恐れがある状態であったと言えます。

やはりどのケガでもそうですが、可動域に関しては復帰までには最低限元に戻す必要があります。

逆に言えば、可動域が戻り、炎症が沈静化していれば練習をしていればパフォーマンスが上がっていくことはよくあります。

これは徐々に正常な筋力が戻ってくるからだと思われますが、可動域が戻っていないと正常な筋力が戻ってきません。

動きにくい可動域の範囲でのみ筋肉を使うことになるので、非効率的ですし、それが痛みの原因になることもよくあります。

今回のケースは私が体育館に伺う頻度でなんとかなる問題を超えていたので、しっかりと病院に通うことを本人と約束しました。

そして、それができるように指導者にもしっかりと病態と状態を説明し、理解を得ました。

こういった場合は、選手だけに伝えても解決しないことが多く、どうしても指導者の協力が必要になります。

選手と指導者の立場では「休む」ということをプラスに捉えられないことが多くあります。

専門職として、その間に入ってあげることが必要であると考えています。


いかがだったでしょうか。

今回はやや難しいケースでした。

足の状態と実際の復帰レベル、通院の状態など上手く噛み合っておらず、選手にはフラストレーションが溜まっていたと思われます。

様々問題はあるのですが、完全に足が壊れてしまう前に介入できてよかったと思っています。

長文失礼いたしました。

 


 

 

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