
こんにちは。
今回は「ディフェンスの姿勢を考える!NBAからの分析」です。
理想のディフェンスの姿勢を考える上で、トップレベルの選手がどの様にディフェンスをしているかを分析することはとても大事なことだと思います。
さて、
NBAでもっとも良いディフェンスをするのは誰でしょうか。
そうですね、Matthew Dellavedova(デラベドバ)選手ですね。
(ここでデラベドバ選手を挙げたのは私が彼のキャラクターに惚れているからです(^^) ディフェンスの素晴らしい選手はたくさんいますね。)
彼がその粘りっ気のあるディフェンスでStephen Curry(カリー)選手を苦しめたことは、まだ記憶に新しいのではないでしょうか。
その彼の試合でのディフェンスを分析し、「理想のディフェンスの姿勢」を探っていきます。
分析に利用させていただいた動画はこちらです。
相手との距離によって姿勢が変わる!
当然のことなのですが、ディフェンス時に同じ姿勢をとり続けることはまずありません。
同じ姿勢はとり続けたとしても5秒〜10秒程度なことが多いです。
つまりディフェンスはその間中頻繁に様々な姿勢変換が求められています。
その中でも、姿勢変換は相手との距離によって行われることがあるようです。
実際に見てみると、

左が相手との距離が数m離れている時の姿勢です。
相手との距離があるので、急に抜かれる可能性が低く、ディフェンスはリラックスした姿勢に見えます。
それに対し、右側はワンアームの距離のディフェンスの姿勢です。
いつでも抜かれる可能性がるため、ディフェンスは横に強いステップができる姿勢となっています。
両者を比べてみると重心の位置は大きく異なりますね。
相手との距離が近いほうが腰は低い姿勢です。
ただ、この姿勢も数秒すれば別の姿勢に変換しなければなりません。
それは相手の動きに対応しなければならないので当然のことでしょう。
ボールの位置によっても姿勢は変わる!
先程の姿勢はボールマンを相手にした時の姿勢でした。
ただ、ディフェンスは自分のマークがオフボールマンの時も続きます。
実際に見てみると、

左の図はDellavedova選手がCurry選手を常にディナイしている時の場面ですが、
距離は非常に近いのですが、ほぼ立っている状態であり腰は低くありません。
逆に言うと、こういった場面では腰を低くする必要はないということでしょうか。

こういった状況では、腰を低くしサイドに強いステップをするよりも、四方八方の状況把握と方向転換ができるということを優先しているためでしょう。
そして相手が移動すれば(右図)のように、並走してついていきます。
ここでも腰を低くする必要はありません。
ただ、いわゆる2線のディフェンスになると腰は低くなってきます。

自分の位置と相手の位置からディフェンスの役割が変わり、それに伴って姿勢が変わるというのは至極当然のことです。

ディフェンスの理想の姿勢?
実際に動画を切り取ってみてみると、「ディフェンスの理想の姿勢」を示すことが非常に難しいものであることがわかります。
つまり、ディフェンスでは一定の姿勢であることがないため、理想の姿勢を1つ示すことはできないということです。
あえて言えば、「様々な場面に適応した姿勢変換ができること」が、「理想のディフェンスの姿勢」でしょうか。
ではどの様にディフェンスの練習をしていけばよいのか。
その方法は明確です。
その場面に応じた姿勢の練習と姿勢を変換していく練習をする必要があるということです。
つまり、ディフェンスの練習はもっと細分化することが必要になってくるでしょう。
ただ単に腰を落としてサイドステップをするのではなく、
例えば「ワンアームでのディフェンス」を想定した練習であったり、「3線から1線への移行」を想定した姿勢変換の練習であったり…
実際に必要とされる動きの練習が必要となってくるでしょう。
ただ、やはり指導者の方が気になるのは「1対1でのディフェンス姿勢」ですよね。
1対1で相手に抜かれることなく、守り切るためのディフェンスの姿勢が最も重要な姿勢であると思います。
つまり、より速く、強くサイドステップをするための姿勢でしょうか。
これもいきなり解剖やバイオメカニクスから考えるのではなく、
まずはNBAなどトッププレイヤーがどうしているのかを分析してみましょう。
いかがだったでしょうか。
当たり前といえば当たり前なのですが、ディフェンス練習といえばこれ!といったイメージがある方にとっては新しい視点になったのではないでしょうか。
実際の試合では、同じ姿勢の保持は数秒程度であり、かつ機敏に動き、様々な姿勢変換を求められることを考えれば、
ディフェンス練習のメニューもその様にすべきではないでしょうか。
長文失礼いたしました。
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