
こんにちは。BMSL(@Basketball_MSL)です。
今回の主役は、スラムダンクの登場人物にして最高のシューター!
我らが湘北のエース!
三井寿!!
ちなみに私が一番好きなキャラクターです。
かっこよすぎるんですよ…。ほんとに。
さて、
三井寿といえば、かなり衝撃的な登場の仕方をしたキャラクターでもあります。
そうです。歯がなかったのです。
そして不良グループにいたわけですが、
彼がグレるきっかけとなった膝のケガをご存知ですか?
一体何のケガだったのか、作品中では詳細に解説されていません。
それ故にスラムダンク愛好者の中では様々な憶測が今でも飛び交っております。
今回、その議論に終止符を打つべく、

是非、スラムダンク8巻をめくりながらお楽しみいただければ幸いです(^^)
三井寿の“膝のケガ”
さあ、本気で分析しますよ。
三井が膝のケガをしたのは新入生同士の5対5の試合形式の練習中です。

いわゆる新入生の注目株同士の対決で、三井 vs 赤木という構図の試合でした。
先輩や安西先生の目もあり、二人はヒートアップしていきます。
序盤は三井の動きに全く対応できず、赤木チームは圧倒されますが、赤木が三井の動きに慣れ始めると状況が変わります。
赤木がその高身長を活かし、三井のシュートをブロック、そのままキャッチしてしまうというビッグプレーをしてみせると、
先輩や元チームメイトが騒ぎ、三井は「それ以上のプレーをしなければならない」という心理状態にさせられてしまいます。
その時のセリフが
「負けねえ!!赤木には負けねえぞ!
高さで勝てない分はスピードとテクニックでカバーだ!!」

熱い男ですよね。
そして、この直後、三井は左の膝を負傷します。
まさかこのケガが三井の人生に深く突き刺さるほどのケガとなってしまうとは…。
受傷シーン分析
受傷シーンを見てみると、
三井は赤木に対し、右にフェイク(ジャブステップ)、その後にシュートフェイクをすることで、まんまと出し抜きます。
その瞬間、三井はすばやくオープンステップで右ドライブ(赤木の左側)を仕掛け、抜き去ろうとします。

受傷シーンはこの次のシーンです。
「ズンッ」と嫌な効果音が響き、三井がフリーズします。
一体、ここで何が起きたのでしょうか。
ストップ動作での受傷
ここからは妄想分析です。
三井はオープンステップで右ドライブを仕掛けましたので、右足を前に踏み込み赤木を抜きます。

しかし、受傷したのは左膝です。
つまり、オープンステップで出した足の次についた足で受傷したということです。
ここで何が起こったのか。
おそらくシュートのストップ動作です。

三井は赤木を抜き、レイアップを狙うのではなく、左−右のストップでジャンプシュートを狙ったのです。
ドリブルからのストップシュートは三井の得意プレーであり、この練習試合でも何度か見られるプレーです。
さらに、相手も三井を止めようとカバーには必死だったでしょうから、
この場面でレイアップではなく、ストップシュートの選択をしたのは至極当然のことでしょう。
ただ、この左−右のストップ動作の一歩目。
つまり左足が三井にとっては計算外でした。
三井はこの瞬間に左膝を負傷したのです。
イメージできますでしょうか。
三井のケガはズバリ!「外側半月板損傷」
ここからも妄想分析です。
はっきり言いましょう。
三井寿の膝のケガは「外側半月板損傷」です。
インターネットで「三井寿 膝」で検索すると様々な考察が出てきます。
前十字靭帯損傷では?などなど。
確証はありませんがおそらく違います。
三井のケガが「外側半月板損傷」であるといえる理由をこれから書いていきます!
理由1 身体の使い方
三井寿には特徴的な身体の使い方があるのをご存知でしょうか。
それが「膝の外反」です。

膝の外反は、膝にとっては非常にリスクのある姿勢になります。
Knee in Toe out、これも膝の外反です。
膝の外反と外側半月板の関係ですが、
膝が外反すると外側にある半月板は押しつぶされるような力を受けます。

そこにグリっとずれるような力が加わることで半月板が切れてしまうことがあるのです。
外側半月板損傷で来院する人のほとんどは何かしらの理由でこの外反を強制されていることが多いのです。
ただ、これだけでは前十字靭帯損傷ではないという理由にはなりませんね。
・運動中に膝を外反するクセがあった → 外側半月板損傷のリスクが高い
理由2 手術
三井寿は左膝を負傷し、入院します。

「半月板損傷」は様々な状態があり、手術が必要な場合と必要でない場合があります。
ただ、入院しているということを考えると、手術をしたということでしょう。
経験上、半月板損傷で手術しないのに入院するということは殆どないです。
手術をしたということはほぼ確実であるとして、重要なのはその内容です。
三井は入院の暇さに耐えきれず、無断で外出しますが、注目すべきはその際に持っている松葉杖です。

松葉杖を持っているということは、いくらかの荷重制限が設けられたということが考えられます。
荷重制限とは膝の手術した部分を保護するために、
「術後1週間は20kgまでしか体重をのせては駄目」といったような制限をかけることです。
では、半月板の手術で荷重制限が設けられるということはどういう事か?
それは「半月板を縫合している」ということです。
つまり、切れた半月板を手術によって糸で縫ってあるということです。
半月板を縫った場合は、その縫合部がある程度治癒するまで荷重を制限する場合がほとんどです。
これらのことから、三井寿は「左膝外側半月板損傷」をし、病院で「半月板縫合術」を受けたということが言えます。
入院期間
さて、三井の入院期間はどれほどだったのでしょう。
分かる範囲で時系列を整理すると、
受傷したのは、新入部員が自己紹介をしているところから考えると、入学してすぐ、おそらく4月2週目ごろでしょう。
その後手術のために入院しますが、木暮がお見舞いで月刊バスケットボール(25日頃発売)を持ってきてくれているところからすると、この時点で2週ほど入院していると考えられます。(P142)

その後、三井は病院を抜け出し始めますが、看護師の「今日はおとなしく寝てるのね」という発言から、
抜け出したのは1日や2日ではないことが伺え、そうすると5月の上旬頃までは入院をしていたのではないかと思われます。
つまり、入院はGWを挟んで3から4週間。5月の2週目には退院していたと考えられます。

半月板損傷の術後としては、状態にもよりますが、違和感を覚えるほど長いというわけでもありません。
そして、神奈川県のインターハイ予選が5月下旬頃でしょうから、それに向けて無理に体を動かしていたのでしょう。
「予選の1週間前に痛いなんていってらんないスよ!」(P159)
という発言も聞かれています。
・3から4週間ほど入院をしている → 手術をしていた
・松葉杖をついている → 半月板を縫合している
次の理由3に進みましょう。
理由3 膝のコンディション
これが前十字靭帯損傷(前十字靭帯再建術後)ではないといえる一番の理由です。
理由2でも書きましたが、三井は術後2週間程度の時期から無断で外出をしており、インターハイ予選1週間前にはそれなりに練習に参加しています。
つまり、何が言いたいかと言うと、「それなりに動けている」ということです。
手術からインターハイ予選1週間前までが1ヶ月と少しだとすると、ここまで動けるというだけで、それなりに手術内容や疾患は絞られます。
前十字靭帯の再建術を経験した人であればわかると思いますが、術後1ヶ月ではシュートを打つ気にもならないと思います。
この時期は、やっと歩行や階段などがそれなりにできるようになってくる時期ですから、
他の部員と一緒に練習に参加するなどありえないことです。
これらのことから、三井寿が受けた手術は前十字靭帯再建術ではないということが予測できるのです。
外側半月板縫合術なら動けるのか?
問題はここでしょう。
半月板の手術にはその破損状態により様々なバリエーションがあります。

少しめくれている部分を切ってしてしまう程度のものから、1ヶ月間体重をかけられないほど半月板を縫い込むものまであります。
つまり、すぐに歩けるようになる場合もあれば、復帰に1年以上も必要とするような場合まであるということです。
三井の場合は、手術直後、荷重制限が設けられていると思われますが、
結果的に術後1ヶ月であれくらい動けることから考えると、縫合の程度は少なく、そこまで重度の半月板損傷ではなかったということが言えるでしょう。
実際に、軽度の損傷では術後でも3ヶ月せずに運動が開始できるケースもあります。
作中でも痛みに耐えながら無理をしているような描写はなく、
「いたくねえ!いたくねえぞ!いける!」
と本人が感じるほどに膝のコンディショニングは良かった(痛みや腫れがなかった)のです。
これは逆に言えば、半月板の損傷程度が大きくなかったことと、それにより手術も少ない縫合で済んだということを裏付けているのです。
・術後1ヶ月と少しで練習ができる → 前十字靭帯再建術ではない
・半月板縫合術後であれば、その程度によっては動ける人がいてもおかしくない
これまで挙げてきた理由を考えれば、三井の膝のケガは「外側半月板損傷」である可能性が非常に高いのではないかと思います。
三井寿は、
左膝外側半月板損傷により、半月板縫合術という手術を受けた!
再発
そして、三井寿はインターハイ予選に向け自己判断で運動強度を上げていきます。
無断外出の初期ではコートの横でハンドリング程度でしたが、そこから2週間もないうちにジャンプ動作を伴うシュート練習やステップ動作を必要とするような対人練習を開始しています。
これは、まずありえないことだと言って良いでしょう。
手術したのは膝ですが、その膝が痛くないからといって運動を開始してよいのかというと、そんな事はありません。
半月板の縫合をしたということ
まず、
半月板を損傷し、手術によりその破損箇所を縫合した場合にはより慎重なリハビリが必要になります。
それは、糸によって破損した半月板同士を寄せてはいるものの、これはあくまで断端を寄せているだけであって治癒しているわけではないからです。
つまり、荷重や、急激な屈伸、膝のねじれなど、半月板に負荷のかかる動きをすることで、
せっかく寄せた断端同士がズレてしまう可能性があり、そうなった場合は手術した意味がなくなります。
もちろん寄せられた断端同士がくっついてしまえば問題はないのですが、上記のような動きを繰り返していれば、くっつきにくくなるのも容易にイメージできると思います。
痛くなければ復帰してよいのか
よくありません。
痛みは重要な身体からのサインですが、これがないから大丈夫かと言うと、そう言い切れるわけではないのです。
特に手術など大きなケガをした選手は注意が必要です。
三井の場合は半月板の縫合した部分の問題もあってこの時期の復帰は良くなかったのですが、
例え半月板の治癒が完了していたとしても復帰が遅れる場合があるのです。
思い出してください。
三井がなぜ半月板を損傷したのかを…。
そうです。
赤木を抜いて、左足でストップ動作をした際に膝を外反したのです。
つまり、誰かに接触して損傷したのではなく、自らの動きを制御できずに損傷したということです。
であれば、その身体の使い方を修正しない限り、同じ状況でまたケガをするリスクが非常に高いと言えます。
いくら膝の状態が良好であっても、体幹や股関節、足関節など膝を取り巻く多くの関節の機能が改善していなければ復帰は許可されないものなのです。
痛くなくても膝の回復は不十分だった…
三井は膝の痛みを感じていません。
そこで「治った!?」と勘違いしてしまったようですが、残念ながら膝も全く回復していなかったようです。
三井の左膝が完全に回復していないということが伺えるシーンがあります。
これまで三井はシュート後、左足で着地することが多いのですが、手術後は左での着地を身体が避けています。

体幹も傾いており、左膝をかばった動作がみられます。
つまり、まだ全然ダメだったということです…。
こんな状態で対人練習なんてしたら…。
再発シーン分析
再発シーンは、赤木から木暮へのパスを三井がカットしようとする際に生じます。
三井は、ディフェンスで右方向へのスライドステップでボールをカットしようとしたのでしょう。

右方向に強く飛び出すためには、左足で強く地面を蹴る必要があります。
この際に、以前からある膝の外反が生じたのか、縫合した部分が断裂したのかは定かではありませんが、
いずれにせよ、初回と同じように強く踏ん張った際に再発したということがわかります。
せめてもう1ヶ月復帰を待ち、股関節や体幹などの機能改善を含めたリハビリをしていれば…。
この再発は防ぐことができたでしょう。
まとめ
長年、スラムダンクファン、三井寿ファンを悩ませ続けたこの問題に終止符を打つことが出来たでしょうか。
三井寿の左膝のケガは、おそらく「外側半月板損傷」です。
そして、「半月板縫合術」を受けるために入院していたのです。
残念ながら、そこからの復帰に向けた管理が非常によくありませんでした。
入院期間中に無断外出し運動をしていたこと、勝手に運動強度を上げたこと…。

もう1ヶ月、しっかりと専門家のもとでリハビリができていれば、彼の人生は変わっていたのかもしれません。
三井はこのケガによって不良グループに入り、大事な高校バスケの時間を浪費してしまいます。
ただ、この挫折、混乱、苦難があったからこそ、今の三井があるとも思えます。
プライドを捨て、前を向き、好きなバスケができることに感謝し、チームを勝利に導く男。
それが三井寿です。炎の男なのです。
だから私の一番好きなキャラクターなのです。
もう泣きそうだわ…。これくらいにしておきます…。
みなさん、三井のケガに関して納得していただけましたか?
長文失礼いたしました(T_T)
バスケ好きなら家に無いなんてありえない!熟読熟読ぅ!