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【前十字靭帯損傷】最低限!知っておくべきメカニズム

こんにちは。BMSL(@Basketball_MSL)です。

今回のテーマは、「前十字靭帯損傷のメカニズム」です。

このテーマは、現在進行系で様々な研究者たちによって分析が進められています。

つまり、明確な答えが出たと言い切ることはできないのですが、

細かい部分を省けば、ある程度その答えは出ているようです。

前十字靭帯(以下、ACL)を損傷するメカニズムを知ることができると、予防のために何をすべきかがわかるようになります。

特に、女子選手を指導する方には知っておいてほしいと思います。

さて、本題に入っていきましょう!

前十字靭帯損傷のメカニズム

ACLがどのようにして切れるか、という疑問にはある程度の答えが用意されています。

細かい関節の運動には議論の余地があるようですが、ACLが切れる危険性のある膝の動きというのは、

軽度屈曲位での外反+回旋ストレス(内旋か外旋)」

ということで一定の見解が得られています。

回旋に関しては、内旋で切れる、といった見解が増えているように思いますが、

ACL損傷に関わる動きで一番重要なのは膝関節の「外反」です。

前十字靭帯損傷と膝の「外反」

膝関節の「外反」と聞いてピンときますでしょうか。

あまり日常では使わない言葉ですので、しっかりとイメージできるようになりましょう。

膝の外反とは、膝関節を中心として外側に反る状態のことを指します。

つまり、図で示すと

このような状態のことです。

逆に、内側に反っていることを「内反」といいます。

外反がなぜ危険なのか

一般の方に向けて、このあたりまで言及しているものを読んだことがないのですが、難しいことではないので書いていこうと思います。

外反が危険と言われる理由には、骨の形状が関係しています。

膝が「外反」になると、モモの骨(大腿骨)の外側の関節面と、スネの骨(脛骨)の関節面のみが接触するような状態になります。

つまり、これだけでも接触面が片方だけになり不安定性が高まるのですが、

さらに、外側の関節面同士が互いに凸(出っ張っている)ため、不安定性はさらに増加します。

簡単に言うと、濡れてつツルツルの丸い氷同士の一点に体重がのっているような状態になるということです。

そこに、ジャンプの着地やドライブの踏み込みなど、勢いのある衝撃が加わったらどうなるでしょうか。

そうです。

グリッと関節面がずれ、靭帯に負担が生じ、場合によっては切れてしまうのです。

外反が危険な理由をイメージしていただけたでしょうか。

前十字靭帯損傷と「Knee in Toe out」

ACL損傷にまつわる言葉として、

Knee in Toe out」 といった言葉を聞いたことがある方もいると思います。

つまり、膝が内に入り、つま先が外を向くというやつです。

わかりやすい動画がYouTubeにあるのでそちらでみてみましょう。

動画では、この動きがACLに過剰なテンション(張力)を生じさせ、その衝撃によっては切れてしまうと説明しています。

これは冒頭に書いたとおり、「軽度屈曲位での外反+回旋ストレス」の説明であり、この場合の回旋ストレスは外旋ということになります。

膝関節の外旋とは、膝の向きに対してつま先が外を向く状態のことです。

ただ、この外旋はACLにとって強い張力を生む姿勢ではないということが解剖学的な知見で明らかであり、

また、研究者による多くの受傷シーンの分析により、

「違うのでは?」という意見が多くなってきています。

「Knee in Toe out」は安全か

Knee in Toe outによってACL損傷が起こらないのであれば、この姿勢は安全なのでは?と考える方もいると思います。

私の個人的な考えとしては、それは違います。

Knee in Toe out 自体ではACL損傷が起こらないとしても、この姿勢は膝の外反を誘発します。

外反の危険性は先程書いたとおり、関節が非常に不安定な状態になるので、ACL損傷の一番の危険因子といっても過言ではありません。

「Toe out →外反の誘発→ACL損傷リスク増加」
と考えると個人的にはスッキリします。

なので、やはりこの Toe out に関しては回避すべき姿勢であると考えます。

まとめ「損傷時の特徴的な姿勢」

一般の方であれば、ACL損傷の特徴的な姿勢は「膝関節軽度屈曲+外反」という理解で問題はないと思います。

実際にSNS上にあふれている予防トレーニングの殆どが外反を抑制するためのものです。

BMSLでもすでに記事にしています。

膝の「外反」を防ぐために

ACL損傷には接触型非接触型があることは以前記事にしましたが、

接触型損傷の場合は、相手からのタックルなどによって膝の外反が強制されるので、この場合のACL損傷を予防するのはなかなか難しいというのが現状です。

しかし非接触型の場合は、自らその姿勢となりACLを損傷します。

つまり、「外反」を特徴とした動きが生じるということです。

この姿勢というのは、スポーツにおいて機能的なものではありません。

何かしらの機能不全(可動域や筋力)が原因である可能性が高く、簡単に言えば失敗動作であることが多いです。

そうした身体的特徴のある選手が、ジャンプの着地、ストップ、ターンなどでこうした姿勢になる可能性が高く、ACL損傷のリスクに繋がります。

なので、ACL損傷を予防するためには膝の外反の原因となっている要素を改善し、

競技動作中で膝が外反しないようにしなければなりません。

つまり、ACL損傷予防プログラムとは、この原因となる要素の改善をするためのプログラムです。

BMSLでも簡単なものを紹介しています。

ぜひご覧ください。

まとめ

前十字靭帯損傷について、最低限知っておいて頂きたいメカニズムについてまとめました。

どのような動作が危険なのか、どのような姿勢となることで損傷するのか、イメージできましたでしょうか。

まずはそのメカニズムを知り、競技の特徴とすり合わせ、予防トレーニングの重要性を知って頂けると幸いです。

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