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前十字靭帯(ACL)損傷とリハビリテーション

こんにちは。

BMSL(@Basketball_MSLです!

今回は、「前十字靭帯損傷とリハビリテーション」についてです。

前十字靭帯損傷とリハビリテーションの関わりについて書いていこうと思います。

前十字靭帯損傷とは

バスケットをしていれば、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

前十字靭帯(Anterior Cruciate Ligament 以下ACL)とは、膝の関節内にある、とても重要な靭帯です。

下の図で見てみましょう。

ACLは、まさに膝関節の中央に位置しており、関節運動の軸となる靭帯です。

膝関節の動きは主に曲げ伸ばしですが、変に捻れず、まっすぐ曲げ伸ばしできるのはACLのおかげであると言えます。

実際に、ACLがどのような役割を担っているのかというと、

①脛骨(スネの骨)が前にズレていかないように制動すること

②脛骨が大腿骨(モモの骨)に対して内側にねじれないように制動すること

をしてくれています。

なので、このACLを損傷すると、大腿骨と脛骨がうまく合致しなくなり、正常な関節運動ができなくなります。

そうなると、膝崩れといってガクッと膝がズレるような、ACLを損傷した人特有の症状が生じます。

この膝崩れは大腿骨と脛骨が亜脱臼のような状態になっているそうです。

考えるだけでも恐ろしいですね…。

ポイント

膝崩れ:ACL損傷の特徴的な症状

ACL損傷の診断

損傷といっても、完全に断裂しているものから、少し傷んでいる程度のものまであるのですが、その診断は医師によるMRI靭帯の緩みを調べる特殊な検査によってなされます。

断裂していなくても、緩んでしまい靭帯としての役割を果たせていないという場合もあります。

これをACL機能不全と呼び、医療職の間では「靭帯が利いていないね(働いていないね)」なんて言ったりします。

ACLの機能不全は先程の膝崩れにつながります。

ACL損傷の疑いがある場合は、必ずスポーツ疾患を得意とするMRIのある整形外科へ受診することをおすすめします。

これは余談ですが、
ACL損傷の疑いで整形外科病院を受診したところ、スポーツ疾患の経験がない医師の診察を受けてしまい、結局他院で靭帯断裂の診断を受けるまで半年も経ってしまった患者さんがいました。
もちろんご本人もわからないので、「良くならないな〜」と思って他院を受診したら…ということでした…

リハビリテーションの関わり

ACL損傷とリハビリには、密接な関係があります。

手術をする、しないに関係なく、リハビリは必要となる場合がほとんどです。

ここでは、受傷から時系列でリハビリの関わりについて書いていこうと思います。

受傷してからすぐにACL損傷の診断がされたとして話を進めます。

受傷直後

ACLの受傷直後は、他のケガと同様の症状が生じます。

つまり、痛み、腫れ、熱感などです。

これにより、直後は膝の曲げ伸ばしが困難であることが多いですが、適切に対応すれば、これは1週間もすれば落ち着いてくる場合ががほとんどです。

昔はギプスなどで固定していたようですが、最近では固定せず早期に曲げ伸ばしの可動域をもとに戻すことを目指します。

そのためには痛みや腫れなどを早期に軽減させる必要があり、これには急性炎症に対するRICE処置が重要となります。

アイシングなどはスポーツをやっていれば当然のこととしてやると思いますが、意外と重要なのがRICEのRです。

RRestで、患部安静を意味する言葉です。

アイシングしているときだけ安静にすればよいのかと言うとこれは間違いで、特に膝の怪我の場合は、体重をのせること自体がかなりの負担となります。

そのため、松葉杖などを用いて膝に掛かる負担を軽減する必要があります。

急性炎症中の膝は、腫れにより力が意識的に入らないこと痛みにより正常ではない筋肉の緊張が生じることにより、膝の可動域が著明に制限されます。(曲がらず、伸び切らない状態)

その状態で体重をのせて歩いてしまったり、普通に生活してしまったりすると痛みは長引き膝は曲がったまま固まってしまいます

そうなるのを防ぐために、リハビリで膝の状態をチェックしていく必要があるのです。

リハビリに関わり
  • 膝の状態をチェックし、負荷量を見極める:松葉杖の必要性、装具の有無など

受傷から数日〜数週

受傷直後の炎症が引き、痛みや腫れが治まってくると、徐々にリハビリのやることも増えてきます。

まず、しっかりと膝が伸びること、そして、伸ばして体重をのせられることを目指していきます。

松葉杖などで体重をかけない生活をしていた場合、それだけでも筋肉は落ちてしまうので、筋肉トレーニングも並行して行うことになります。

膝がしっかり伸びて、モモの前の筋肉に力が入るようになると松葉杖なしで歩けるようになってきます。

しっかりと歩けるようになれば、ケガする前の生活に戻り、日常生活に復帰します。

リハビリに関わり
  • 膝の可動域の回復
  • 筋力の回復
  • 日常生活への復帰

を目指してリハビリ

ポイント
  • ACL損傷はギプスで固定せず、早期に可動域の獲得を目指す
  • 曲がったまま、力が入らないまま、生活することは状態を悪化させる

手術をしない人

今後、運動を予定している人は、特に慎重なリハビリを必要とします。

ACLという重要な支えを失った状態での運動は、常に膝崩れのリスクが付きまといます。

この膝崩れは、半月板損傷や軟骨損傷の原因となることが多く、膝崩れを繰り返す人は、将来、変形性膝関節症になるリスクを増加させます

そのため、リハビリでは膝崩れを回避するために、筋力強化、動作訓練などを徹底して行い、場合によってはテーピングやサポーターなどの指導も行います。

日常生活復帰と運動復帰の間にはとてつもない壁があるという認識が必要です。

先程も書きましたが、ACLがない状態での運動は、将来に大きな影響を与える可能性があるということをしっかり理解しなければなりません。

手術をする人

手術をすると決定した人も、ただ漫然と手術日を待っているわけにはいきません。

なぜかというと、手術前の膝の状態が良いほど、術後の状態が良いという研究のデータがあるからです。

膝の状態良いとは大まかに言えば、「可動域」と「筋力」が良い、ということになります。

日常生活が問題なく送れることが最低条件として、可能であればできる限り状態は良くしておくべきです。

特に、筋力に関しては手術しない方の膝(元気な膝)よりも強くしておく、くらいの気持ちで良いと思います。

というのも、手術後は必ず筋力低下が起こるからです。

筋力が十分にある状態から低下するのと、最低限の筋力から低下するのでは、術後の筋力回復に大きな差が出てきます。

手術までの期間は、皆さんが思うより相当に重要な期間となります。

術後の状態をできる限り良い方向にもっていきたいのであれば、徹底してリハビリに励むことをおすすめします

手術後のリハビリ

多くの病院では、手術翌日からリハビリが始まります。

ここでも、まずは日常生活復帰に向けて、立つ、歩く、ということを目指してリハビリが行われます。

スポーツ動作のリハビリが始まるのは早くても術後3ヶ月程度はかかるでしょう。

受傷直後と同様に、膝の可動域、筋力の回復に合わせてリハビリが進んでいきます。

詳細は別記事にて紹介できればと思います。


おわりに

ACL損傷の受傷直後から手術後まで、リハビリがどのように関わるかを書いてきました。

かなり大まかな話だったので、今後はこれをさらに掘り下げていければと思います。

ACL損傷とバスケットは、”切っても切れない関係”にあります。

非常に大きな怪我であるため、選手生命に関わるといっても過言ではありません。

その治療から、手術、予防まで細かく記事にしていきますので、ぜひ楽しみにしていてください。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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