
こんにちは。
BMSL(@Basketball_MSL)です!
今回は、スポーツには欠かすことのできない「体幹」について書いていきます。


この「体幹」という言葉がスポーツ界に浸透してから、しばらく経ちます。
しかし、個人的には現場で最も認識のズレを感じる言葉です。
実際にこの認識のズレのせいで、伝えたいことがうまく伝わらない、その説明に時間がかかってしまう…
という事が、多くありました。
そこで、これまで感じてきた、
「体幹」という言葉に対する、専門家と一般の方の認識の差
について書くことにしました。
一般の方が専門家レベルの知識をもつ必要はありませんが、専門家の認識だけでも知っておくことで、
- ネットや書籍に溢れる情報が扱いやすくなる
- 日々のトレーニングの質が上がる
- 指導者と一般の方のコミュニケーション向上に役立つ
というメリットがあるかと思います。
それでは、早速まとめていきます!
目次
「体幹」といわれる部位
まずは、「体幹」の場所についてです。
はたして、「体幹」は体のどこの部位を指しているのでしょうか?
いわゆる「お腹」ではない!

よく聞きますが、体幹はいわゆる「お腹」だけを示す言葉ではありません。
お腹を含め、背中、それもかなり上の方までが、「体幹」という部位になります。
『お腹に力が入る感覚』というのはわかりやすいですし、簡単に触れられる部位ですから、それこそが「体幹」と思いがちです。
しかし、実はもっともっと広範囲を示す言葉なのです。
専門家の考える、「体幹」といわれる部位
「体幹」とは、体の幹と書きます。
では、枝はどこかと言えば、両手両足がそれに当たります。
つまり、「体幹」とは、腕の付け根の肩関節〜足の付根の股関節付近までを指す言葉であると考えています。
大まかにいえば、胴体の全周囲がすべて「体幹」、ということになります。

お腹や背中、肩甲骨のあたりも含めて、「体幹」ということになるのです。
お腹だけを「体幹」だとイメージしていた方にとっては、非常に大きな範囲に感じるかもしれませんね。
体幹の深さ


では、体幹の『深さ』について考えたことはありますか?
専門家は、目には見えない部位についても体幹という認識を持っています。
先程、胴体の全周囲が体幹であると書きましたが、それはあくまで目に見える部分です。
見えない部分にこそ、体幹の真価が問われる!
人間の体は、目に見える表皮から始まり、幾重にも層をなしています。
大まかに言うと、皮膚があり、脂肪があり、筋肉があり、骨があります。
つまり、体幹には背骨を囲うようにいくつもの層があり、それも含めて体幹である、といえます。
専門家の考える体幹の深さ
スポーツの現場で使用される「体幹」という言葉のほとんどは、筋肉を指していると思われますが、その筋肉にすら層があります。
特に体幹は人体にとって非常に重要な部位なので、非常に深く、細かく、筋肉が存在しています。


しかし、専門家がそれで体幹の機能を決めることはありません。
目に見える腹筋よりも、背骨付近にまで存在する筋肉のほうが、体幹にとって重要な機能をもっている
と知っているからです。
まさに、目に見えない部分(深さ)にこそ、体幹の真価が問われるのです。
体幹の筋肉
次は、筋肉についてです。

実は、結構果てしない数があるのです。
「腹筋」だけが体幹ではない!

先程出てきた、「腹筋が6つに割れている」というのは、「腹直筋」を指しています。
腹直筋とは、体幹でも正面の表層(外側)に存在する筋肉であり、目で観察することができる筋肉です。
この筋肉だけで体幹の真価を知ることはできない、という理由は既述のとおりです。
専門家の考える体幹の筋肉
体幹といっても範囲がとても広いので、ここでは骨盤〜肋骨間の腹部と背部をみていこうと思います。
まずは、腹筋群です。
腹筋群
図のように、一番正面にあるのが腹直筋です。
その横に外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋と層になっています。

腹部にある体幹筋というと、専門家ではここまでイメージが浮かぶかと思います。
次に背部です。
背筋にも層があり、それぞれが非常に複雑な役割を果たしています。
背筋群
まず、最も表層にあるのが、腕につながる広背筋です。
そして下後鋸筋や腰方形筋、背骨に密着するようにして大腰筋と、あとはいわゆる背筋があります。

この背筋自体にも層があり、それぞれ異なった役割を果たしている、といわれています。

このように、「体幹筋」というと、部位を限定してもこれだけの筋肉を専門家は想像します。
それぞれ役割が異なる筋肉ですので、専門家としては、一概に「体幹が強い」とか「体幹が弱い」とは、なかなか言えないのです。

もちろん、一般の方にわかりやすく説明する場合は別ですが。
「体幹」に何を求めるか
「体幹トレーニング」と聞いて、まず思い浮かぶのは、プランクでしょうか。
間違いではないのですが、プランクも体幹トレーニングのごく一部でしかありません。
硬めるだけでは物足りない!
プランク系のトレーニングをする人に多いのは、「体幹は硬いほど良い!」という考えです。
体幹にとって、硬くなることも一つの機能ですから、この考えも一概に間違いとは言えません。
しかし、ただ硬くなるだけでは真の体幹の役割を果たせません。
体幹には、他にどんな役割があるのでしょうか?
専門家の求める体幹の役割
体幹の役割とは、簡単にいうと背骨の役割のことです。
背骨には、
- 頭部を支え、四肢がよく動くために安定させる役割
- 背骨自体が曲がったり、ねじれたりする役割
があります。
前者が硬めるという役割だとすると、後者はその逆で、よく動くという役割になります。
硬めるだけでは物足りないし、動くだけでは不十分。
これこそが、体幹に求められるシンプルかつ複雑な役割であり、専門家が目指すものなのです。
おわりに
これまで感じてきた、体幹に対する考え方のズレについてまとめてみました。
間違いないのは、体幹とは、とても複雑で、重要な機能の塊だということです。
その奥深さゆえ、私自身まだまだ理解は不十分です。
一般の方々にも、ぜひ体幹の表面のみではなく、その奥深さを知ってほしいと思っています。
体幹とは何か?何を求めるのか?あるいは何が求められているのか?
簡単に答えは出ませんが、探求することで日々のトレーニングが変わって見えてくるかもしれません。
BMSLでは、そのお手伝いができればと思っています。
また別記事でも体幹について書いていきますので、楽しみにしていてくださいね。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
◆書籍紹介
より機能的な『体幹』を求めるならこの本。
『硬めるだけでは物足りない』がしっかりと書いてあります。