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身長は80%遺伝で決まる?!

こんにちは。BMSL(@Basketball_MSLです。

今回は、バスケ選手の悩みの一つ、身長について調べたことを書いていこうと思います。

「私の身長は一体どれくらいになるのだろうか…。」

バスケという競技においては、身長は非常に重要な因子になります。

選手のみならず、指導者、保護者の方も気になっているのではないでしょうか。

「伸びるならできるだけ伸びてほしい!」

「伸ばす方法があるなら知りたい!」

誰もがこう願っていると思います。

実は、身長についてはまだわかっていないことが多く、現在進行系で研究、調査が行われています。

この記事では、これまで行われてきた研究の論文から、少しずつ分かってきた身長ことについて書いていきたいと思います。

私も専門ではないので、眉唾で読んでいただければ幸いです。

身長に関する研究

身長に関する研究は、1880年代頃から行われており、主に遺伝学の分野で取り上げられてきた問題のようです。

両親の身長と子供の身長の関係性の調査から始まり、親族や、地域、人種、貧富など様々なデータを集めた大規模なものへと発展しています。

参考にさせていただいた論文を最初に紹介します。

1)Jelenkovic, A., Sund, R., Hur, Y. et al. Genetic and environmental influences on height from infancy to early adulthood: An individual-based pooled analysis of 45 twin cohorts. Sci Rep 6, 28496 (2016).

「乳児期から成人初期にかけての身長に対する遺伝的および環境的影響」(タイトル直訳)

2)Silventoinen K1, Kaprio J, Lahelma E, Viken RJ, Rose RJ.Sex differences in genetic and environmental factors contributing to body-height.Twin Res. 2001 Feb;4(1):25-9.

「身長に寄与する遺伝的および環境的要因の性差」

3)Silventoinen K1.Determinants of variation in adult body height.J Biosoc Sci. 2003 Apr;35(2):263-85.

「成人の身長の変動の決定因子」

4)Silventoinen K1, Sammalisto S, Perola M.Heritability of adult body height: a comparative study of twin cohorts in eight countries.Twin Res. 2003 Oct;6(5):399-408.

「成人身長の遺伝性:8カ国の双子コホートの比較研究」

5)Masato Akiyama, Kazuyoshi Ishigaki.Characterizing rare and low-frequency height-associated variants in the Japanese population.Nature Communications volume 10, Article number: 4393 (2019). https://www.riken.jp/press/2019/20191002_1/index.html

「日本人集団における低頻度の身長関連変異体の特徴付け」

6)Eirini Marouli, Mariaelisa Graff.Rare and low-frequency coding variants alter human adult height.Nature volume 542, pages186–190(2017)

「低頻度のコード化変異体がヒトの成人身長を変化させる」

身長は遺伝で80%決まる

すべての論文で共通している点は、身長の大部分が遺伝によって決定されているという点です。

人類という広い視野で見れば、全世界の大人の身長が大体150cm〜200cm以内に収まるわけですから、遺伝子が人間の形態にとてつもない影響を与えているということはわかります。

ただ、我々が気になるのは、

「170cmで止まるのか…190cmまでいくのか…」といった、もう少し狭いというか、個別レベルでの話だと思います。

研究ではこういったことまで調査が行われており、割合に関しては諸説あるようですが、

最終的な身長の決定に寄与する遺伝的な要素の割合は、およそ80%程度であるとされています。

60%という人もいれば、90%という人もいます。

つまり、生まれた瞬間にその子の最終的な身長は、遺伝によって8割型決まっているということになります。

ただし、これは、両親の身長が180cmだから子供も80%の確率で180cmになる、といったことではないということに注意が必要です。

あくまで、最終的な身長の決定に遺伝的要素が8割影響を与えているというだけであって、具体的に何cmと予測ができるわけではないのです。

なぜ、予測できないかというと、その影響を与える遺伝子自体の特定が2割程度しかできていないからです。

つまり、身長の決定には遺伝が8割程度関与するが、身長の決定に影響を与える遺伝子は2割ほどしか特定できていない、ということになります。

まだわからないことだらけ、というのが実際のところのようです。

遺伝子の中には、持っている人と持っていない人で2cmの身長差を生じさせることができるものもあるらしい…。

最終的な身長を決定する要素とは

身長の決定には遺伝的な要素が8割程度関与しているということは先程書きましたが、

残りの2割はなんなの?と思いますよね。

この2割の部分を研究では環境的要素(environmental factors)と読んでいます。

つまり、身長の決定には、生まれた瞬間から(もしかすると胎内から?)始まる外的な環境の影響を2割程度受けるということです。

外的な環境とは、例えば食事、栄養、睡眠、運動、といったイメージしやすいものから、

地域(標高、気温、文化)、経済的余裕(貧富)、教育など、子供が成長していく環境すべてが環境的要素です。

ちなみに、4)の研究では、裕福な欧米諸国(8カ国)で、30111組の完全双生児のデータを分析しています。

つまり、ある程度、環境的要素がそろっているであろう地域で調査を行ったということですね。
ここに貧しい地域や文化の全く異なる地域を混ぜてしまうと、何が影響を与えているのかわかりにくくなるからでしょう。

男女で異なる身長を決定する要素の割合

最終的な身長の決定には、”遺伝的要素”と”環境的要素”が影響を与えていることがわかりました。

割合は遺伝が8割、環境が2割と書きましたが、実はこの割合は男女で異なるのではないかと言われています。

4)によると、男性の方が遺伝的要素が影響する率が高く(8〜9割)、女性の方が低いというのです(7〜8割)。

これはつまり、女性の方が、栄養や睡眠、運動などの影響を受けやすいことを示唆しています。

2)の論文内ではこのことを、女性の方が環境ストレスに対する緩衝能力が高い(環境に適応しやすい)のでは、と述べています。

例えば、栄養が十分に取れない環境下で身長が高くなる(エネルギー消費も高くなる)ことが生存に不利であるとすれば、それに適応して低身長に留めるのも生物として優れた適応能力ということができるのではないでしょうか。

女性は強い(筋力とかそういった意味ではなく)と言われるのも、こういったことが関連しているのかもしれません。

練習のし過ぎは低身長のリスク?

個人的にはなかなか面白い分野で、つい夢中で調べてしまいましたが、

「遺伝が8割って、つまり結局どうしようもないってこと?」

と思われる方も多いと思います。

実際に、身長の伸ばし方や具体的な最終身長の予測方法などはまだ難しいのが現状のようです。

ただ、最終的な身長の可能性を引き出すために、できることはあるように思います。

面白い論文を見つけました。

7)Maïmoun L1, Georgopoulos NA, Sultan C.Endocrine disorders in adolescent and young female athletes: impact on growth, menstrual cycles, and bone mass acquisition.J Clin Endocrinol Metab. 2014 Nov;99(11):4037-50. doi: 10.1210/jc.2013-3030. Epub 2014 Mar 6.

「思春期および若い女性アスリートにおける内分泌疾患:成長、月経周期、骨量獲得への影響。」

この論文は女性アスリートに限定して行われた研究をまとめたものです。

これによると、過度なトレーニングは成長期の内分泌機能(ホルモンなど)に良くない影響を与え、これにより最終的な身長が低くなる可能性があるとされています。

逆に、適度な運動は大きな健康効果があるとしています。

身長の可能性を引き出すためにできること

身長の決定には遺伝が8割程度の影響を与えるとしても、残りの2割は環境によって左右されます。

この2割を大きいと考えるか、小さいと考えるかは皆様次第ですが、

多くの論文では、例え2割だとしても、この環境的要素の影響の大きさを示唆する意見が多いように感じます。

特にアスリートにおいては、幼少から体重制限などを伴う激しいトレーニングを積んだ選手(体操などの競技)は最終的な身長が低くなるという調査もあります。

この2割をどう活かし育成年代を過ごすかが、もしかすると最終的な身長の伸びに影響を与えるかもしれません。

今回は調べきれませんでしたが、栄養、睡眠、そして運動との関係も調べてみようと思います。

まとめ

簡単にまとめると…

  • 最終的な身長の決定には遺伝的要因と環境的要因が関与している
  • 中でも、遺伝的要因が8割の影響を与えているらしい
  • ただ、この割合は男女で異なる可能性がある
  • 環境的要因の2割も決して無視することのできない要素である
  • 育成年代での過度なトレーニングは身長の伸びに影響を与える可能性がある
  • どのような環境で生活するか、今からできることもある!

といったところでしょうか。

妙なサプリや栄養補助食品を信じて摂取することも悪いことではありませんが、まずは生活を見直し、

2割をどう活かすかを考えてみても良いかもしれませんね。

長文失礼いたしました。

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