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バスケのシュート指導に役立つ!3つのポイント 【理学療法士が解説】

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シュート指導に悩んでいます…。
選手のシュート指導で大切なことってありますか?

バスラボ

あります!
まずは3つのポイントをしっかりと抑えること、そして、「ただ教えるだけの指導」から「一緒に考える指導」を心がけることが大切です!

バスケを指導している皆さん、シュート指導には結構悩まれるのではないでしょうか。

自分の経験を伝えたり、あるいは誰かから聞いたものを伝えたり…。曖昧な指導になることも多いですよね。

そもそも正解のないシュートを、どう指導すればよいのでしょうか?

指導者が頭を抱えている中で、選手も悩んでいるはず。

そこで今回は、シュート指導で役立つ3つのポイントを解説します。

この3つのポイントが頭にあると、

  • 選手が何に悩んでいるのか
  • 今の問題点はなにか
  • 解決するために何が必要か

を把握しやすくなります。

そして何より、“ただ伝えるだけの指導”から“一緒に考える指導”ができるようになるでしょう。

バスラボ

身体の専門家としての視点ですので、ぜひ読み勧めていただければと思います!

  • 本記事の筆者
BMSL管理人について
目次

なぜ曖昧な指導になりやすいのか

なぜ曖昧な指導になりやすいのか

なぜバスケのシュート指導で悩む方が多かったり、曖昧な指導になったりするのでしょうか。

これまで多くの指導者の方とシュートの指導法について話してきましたが、

「正解を教えなければいけない」

という呪縛が、指導者を悩ます原因の1つとなっているように感じます。

それはそうですよね。間違ったこと教えられないです。

バスラボ

そう、それなんです。その考えが、指導者を苦しめることにつながっていると思っています。

間違いは許されない」という考え方は、曖昧な指導につながりやすいです。

つまり、「スナップはしっかり」とか、「リラックスして」といった可もなく不可もないような指導になりやすいのです。

あるいは、自分の考えよりも、一般的に言われていることや有名な指導者の言っていたことを伝えるだけになりがちです。

“ただ伝える指導”から“一緒に考える指導”へシフト

悩める指導者が「正解を教えなければいけない」という呪縛から逃れるためには、“ただ伝える指導”から“一緒に考える指導”へ考え方をシフトする必要があると考えています。

つまり、トライ・アンド・エラーを繰り返しながら選手と一緒に考えて、その選手のシュートを作り上げることを目指す指導へシフトするということです。

バスラボ

考え方を変えるだけで選択肢が大きく広がることもあります。

そもそも、シュートに唯一の正解はありません。

なぜならシュートには、選手の年齢、身長、筋力、経験年数など無数にある個別の要素が関係してくるからです。

その個別性に対応するためには、自分の経験や、聞いたこと、調べたことを、“ただ伝えるだけ”では限界があります。

「こうしてみよう」、「こうしてみたら?」、「こんなのはどう?」

と、その選手の中にある正解を一緒に見つけるような、“一緒に考える指導”ができると、指導者の抱える悩みは解決に向かいやすくなるでしょう。

最大のメリットは選手の成長

“一緒に考える指導”にシフトすることの最大のメリットは、自分で考える選手が育つ、という点にあります。

指導者によって、正誤はともかく答えを指示され続けた選手は、自分で考えることを放棄します。

すべて指導者の言う通り、指示待ち、自分で考えたり、工夫しようとしない選手。

もしかするとそれで全国制覇できた時代もあったでしょうが、ご存知の通り、現代のスポーツにおいて求められる選手像はそうではありません。

「シュートが入らないんですけど、どうすればよいですか」

に対して、

「こうすれば入るよ。ほらね。簡単じゃん。」

と伝えるのか、

「なんでだろうね。どうして入らないと考えてるの?」

と一緒に考える姿勢で歩み寄るのでは、選手に求められる能力も異なってきます。

選手の将来を考えれば、競技においても、社会生活においても、必要とされるのは後者の能力でしょう。

バスラボ

今回はシュート指導に視点を絞った記事ですが、“一緒に考える指導”のメリットについて感じていただければ幸いです!

バスケのシュート指導に役立つ!3つのポイント

“一緒に考えるシュート指導”をするための3つのポイント

前書きが長くなってしまいましたが、ここからが本題です。

バスラボ

このポイントを押さえれば、選手とシュートを考え、様々な視点から助言ができ、多くのトライができるようになるでしょう。

トライの数が多ければ多いほど選手はより良いシュートへ近づくはず。

さて、具体的な項目を見ていきましょう!

【シュート指導のポイント】①再現性

「再現性」とは、「何度やっても同じようなフォームになるか?」という視点です。

厳密にいうと、100%、1ミリも誤差のない動作を繰り返すことは、人間にはできません。

ただ、トップレベルの選手になればなるほど、フォームの誤差は小さくなり、再現性は高くなります。

これは身体の動きが同じになればなるほど、安定したパフォーマンスを発揮できるようになるからです。

バスラボ

世界最高のシューターであるステフィン・カリーは、シュート動作までに様々な駆け引きがあっても、フォームは毎度ほとんど同じです。

極論ですが、シュートが成功したときのフォームを毎度確実に再現できればシュートは入るはずです。

つまり、シュートにおいてはフォームの再現性を高めることが、成功率を上げることにつながります。

シュート指導においては、その時だけの良いフォームを目指すのではなく、「再現性を高めるために必要なことは?」を選手と考える必要があります。

逆に言うと、再現性を下げている要素はどこにあるかを分析すると、今の課題が浮き彫りになるということです。

再現性に関わる要素を大まかにまとめてみました。

【シュート指導のポイント】①再現性

アドバイス:「悪い再現性に目を向け、崩す」

良いフォームを教えたとしても、癖なのか、元に戻ってしまうんです

よく聞く悩みですが、これは悪いフォームの再現性が高まっている状態と捉えることができます。

この場合は、悪い再現性を崩さなければなりません。

バスラボ

ここでいう”悪い”とは、シュートの成功に悪影響を与えている動き・現象ということになります。

悪い再現性 例えば…
  • 手首が内側にスナップされる
  • 利き手側に体幹がねじれる
  • ガイドハンドの干渉が抑えられない
  • 肘が伸びない           など

先程の画像の、どの要素が悪い再現性を高めさせているのか分析しなければなりません。

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私の経験上、ミニバス〜中学では筋力不足、高校〜では可動域の低下が悪影響を及ぼしている印象があります。

悪い再現性によって生じている現象は、根本を修正しなければなかなか改善されません。

「スナップはリングに向かって真っ直ぐ!」

と、口で言うだけでは直らないことは多いのではないでしょうか。

ぜひ、悪さをしている要素を選手と探してみてください。

【シュート指導のポイント】②動作速度

バスケのシュートがダーツやボーリングと異なる点は、ディフェンスがいるという点です。

そのため、シュート動作には“それなり”の速度が求められます

“それなり”というのは状況によって異なりますが、試合中はのんびりと構えている暇などほとんどありません。

とくに競技レベルが上がれば上がるほど、シビアな動作速度が求められるようになります。

つまり、「時間をかけてゆっくり準備すれば8割入るシュート」では通用しないということです。

バスラボ

どんなにキレイなシュートフォームでも、遅ければ使えませんよね。

シュート指導ではこの「動作速度」を見落としがちですが、実際の試合ではとても重要な項目になります。

私が出会った指導者には、動作速度を基準にしてフォーム作りをしている方もいました。

シュートの動作速度に視点をおいた指導をするには、

  • シュートの速度はこれで十分か
  • シュート速度が遅いのはなぜか
  • シュート速度を上げると崩れてしまう動きはどこか

を、選手と考えていかなければなりません。

速度に視点をおいた指導の際に注意すべき点は、「焦っているから入らない」で片付けないこと。

つまり、速度を上げようとすると起こる「動作の変化」を捉えてあげることが大切です。

バスラボ

経験上ですが、速度を上げようとすることで、減速動作などのスッテプワークを含めた下肢・体幹の準備が間に合っていないことが多いと感じます。

こういった動作の変化、違いを捉えるには動画の撮影が便利です。

ゆっくりと打つセットシュートと、できるだけ速くミートして打つシュート、どこに違いが現れるでしょう。

不要な動きや、不足している動きがどこかにあるはずです。

具体的な視点が思い浮かばない方は下の画像を参考にしてみてください。

【シュート指導のポイント】②動作速度

アドバイス:「速度と正確性のジレンマ」を知る

速度正確性にはトレードオフ(あっちが上がれば、こっちが下がる)の関係性がある、とされています。

これを「フィッツ(Fitts)の法則」というのですが、バスケのシュートにも当てはまる部分が大いにあります。

ゆっくりと準備をすれば入るシュートも、速さを求めればそう上手くはいきません。

これは法則と呼ばれる程に、自然界で当たり前に起こる現象です。

練習中、シュートの速度を上げていく過程で、成功率が落ちたとします。

そこで、

「なんで入らないんだ!」

と、怒鳴るより、

「ふむふむ、これはFitsの法則ですな」

なんて言えたら指導者も選手も神経質にならずに済むかもしれません。

こういったジレンマを克服するために、数(練習で打つ本数)や分析が必要になるのだと、選手も指導者本人も共通認識がもてれば、道を脱線せずに練習に励めるのではないでしょうか。

【シュート指導のポイント】③力

ボールをリングに飛ばすには必ず「力」が必要になります。

「シュートに力は必要ない」といった言葉で無駄な力みを意識させ、修正する指導者の方もいます。

が、なにはともあれ、シュートに「力」は必要です

つまり、筋力のない選手には、いわゆる”身体の使い方”で攻略できない絶対的な壁が存在します。

バスラボ

どんなに理想的な、理にかなったフォームでも「筋力の壁」は存在するんです。

ここを押さえておくことで、選手に無理なフォームを押し付けることはなくなるでしょう。

無理なものは無理と割り切ることで、今、この選手と何に取り組むべきかを考えられるようになるはずです。

とはいえ、

「筋力がないから仕方ないね」

で全て済ましてしまうのでは選手も満足しないでしょう。

そこで、具体的にどんな力が足りないのか、問題点はどこにあるのかを選手と考える必要があります。

例えば、下の画像がなにかヒントになるかもしれません。

【シュート指導のポイント】③力

シュートに必要な力

シュートに必要な力とはどんなものでしょうか。

シュートで求められる力は大きく2つに分けることができます。

それが

  • 水平方向の力
  • 垂直方向の力

です。

どちらの力が不足してもシュートは成功しません。

逆に言うと、どちらの力が不足しているのかわかれば大きなヒントになります

アドバイス:「身体現象から不足する力を予測する」

リングには届くけど、ループがかからない選手。

いる!!

多いですよね。

これは、まずリングにボールを届かせることを優先するあまりに、ループがおろそかになるからです。

そういった選手の特徴として、

「シュートの際に、前のめりになりながら前に跳ぶ」という現象があります。

「前に跳ぶ」という現象は、トップ選手でもよくある現象なのですが、

「前のめりになりながら」というのは、先程の「水平方向の力」を無理に補った結果生じている場合が多いです。

こうした現象が生じている状況で更に遠くからシュートを打とうとすれば、それは上手くいきません。

そんなときに、

「どれくらいの距離なら前に跳ばないで届く?」

と選手と試してみてください。

もし、近づくにつれて「体幹の前のめりの角度」が少なくなり、ループもかかるようになるのであれば、その選手に足りないのは水平方向にボールを飛ばす力です。

とても単純な視点ですが、なんで自分のシュートが上手くいかないのかを客観的な分析で知れることは選手にとって貴重なことです。

「じゃあ水平方向の力を発揮するためには?」と選手が考えられるようになるからです。

どうでしょうか。そんな選手、上手くなる気がしませんか?

そのきっかけを作れる指導者こそ、良い指導者だと私は考えます。

バスケのシュート指導に役立つ!3つのポイント【まとめ】

【シュート指導で役立つ3つのポイント】まとめ

①再現性に目を向けよ

シュートの再現性を高めるにはどうすれば良いでしょうか。

逆に、良くない動きで再現性が高まっている部分はどこ?なぜ?

口で言っても修正できないのは、別の要素で不足している部分があるかもしれません。

②動作速度をおろそかにしてはいけない

シュート練習のためにシュートを仕上げてはいけません。

試合中に打てる速度を意識しましょう。

その際、動作速度を上げたときに出てくるエラーを具体的に伝えてあげましょう。

何が足りないのか、どうすればいいのか、選手が納得すれば努力の質が上がるはず。

③絶対的な筋力は必要

身体の使い方で解決できない問題もあります。

無理に筋力の不足を補うフォームを身につけると、いざ筋力がついたときにどうなるでしょう。

筋力が不足しているのなら、どこの、どんな力が足りないのでしょうか。

今できることが必ずあるはずです。

一緒に考えて選手とともに指導者も成長!

選手と一緒に考えることができれば、選手は考え方、努力の仕方を学ぶでしょうし、指導者は様々なケースとそれが解決に至った経緯を蓄積することができます。

それは願ってもない指導者自身の成長になるでしょう。

シュート指導が楽しくなるのではないでしょうか。

おわりに

私が体育館にお邪魔するようになって驚いたのは、多くの指導者の方がシュート指導に悩みを抱えているという事実です。

冒頭でも書きましたが、「間違いは教えられない」という呪縛によって、身動きが取れなくなっていることが一番の原因に感じました。

バスラボ

今回の記事は、指導者の方が、より楽しく選手のシュートと向き合えるようにと願いを込めて書き上げました。

読んでいただいた通り、正解は一つも載っていませんが、選手と一緒に考えるための視点はたくさん載せたつもりです。

是非、選手と一緒に考えて、シュート指導を楽しんでいただければと思います。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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資料タイトル一覧

  • 機能解剖学に基づくシュートフォーム
  • シュート探求:肘の挙がりと曲がり
  • No!More!オスグッド・シュラッター病
  • Physical Fitness Test for Basketball Players
バスラボ

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この記事を書いた人

“痛みのないバスケ”を目指し活動している理学療法士です。
バスケ選手の身体の使い方を分析し、それに必要なケア・トレーニング方法などを日々考えています。
機能解剖学的視点から新たなシュート理論を構築中です。

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