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見直すべき?!  バスケと子どもの関わり方

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こんにちは。

選手の皆さん、バスケ上手くなりたいですよね!

指導者、保護者の皆さん、お子さんにバスケ上手くなってほしいですよね!

バスケを通じて将来の可能性をぐんぐん広げてほしいですよね!

でも、どうすればよいのでしょうか。

バスケの練習をしこたま続ければ良いのでしょうか。

今回は、そうした思いを持つ選手や、選手を取り巻く大人の方に一つの視点を提供できればと思います。

これもまた10年後には当たり前の概念になっているかもしれません。

目次

特定競技の早期専門化が問題になっている?!

競技の早期専門化という言葉をご存知でしょうか。

言葉からイメージがつくと思いますが、つまり、まだ幼いうちから特定競技のみに取り組むことです。

「小学生からずっとバスケットに打ち込んできました!」

という方もいらっしゃると思いますが、これが早期専門化です。

要は、バスケのみに時間を費やし、他の競技には参加したことがない、といったスポーツとの関わり方のことです。

今回の記事でこの「競技の早期専門化」について根掘り葉掘りしていくつもりではないのですが、この機会に少し考えてみて欲しいと思っています。

実はこの問題、あのスポーツ大国アメリカでも以前から問題視されているらしいのです。

驚きですよね。

アメリカといえばシーズン制でのスポーツ活動のイメージですが、最近ではオフシーズンでも同競技の練習を密かに?している選手が増えているということでしょうか…?

ただ、スポーツ先進国と言われるアメリカがスポーツのシーズン制を維持しようとしているということは、それだけ複数の競技を行うこと(Multi-Sports)が若いアスリートにとってポジティブな影響があるということでしょう。

データとしても出始めた早期専門化のデメリット

早期専門化のデメリットが様々な研究チームによって報告されるようになってきました。

その多くは「ケガ」や「燃え尽き症候群」に関してリスクが高いということが報告されています。

2つほど論文を載せておきます。

Sport Specialization, Part I: Does Early Sports Specialization Increase Negative Outcomes and Reduce the Opportunity for Success in Young Athletes?

Sports Health. 2015 Sep-Oct;7(5):437-42. doi: 10.1177/1941738115598747. Epub 2015 Aug 6.

The Association of Sport Specialization and Training Volume With Injury History in Youth Athletes.

Am J Sports Med. 2017 May;45(6):1405-1412. doi: 10.1177/0363546517690848. Epub 2017 Mar 13.
リンク先に飛んで、
「英文コピー → グーグル翻訳」で十分内容は理解できます!

幼少期から一つの競技に絞って練習を行い続けることは、あまり良いことではないと言われるようになってきているようです。

そして、実は将来的なパフォーマンスにとっても良い影響は与えない可能性が示唆されています。

将来、上を目指すなら他競技にも取り組むべき?!

どういうことかというと、

小学生からバスケ一筋で頑張っている少年と、小学生の時にバスケ、サッカー、水泳、体操、など複数の競技に参加していた少年とでは、将来的に後者のほうがバスケのパフォーマンスが高くなる可能性があるということです。

もちろん、小学生や中学生ではまだバスケばかり練習している少年のほうがバスケは上手いでしょう。

しかし、高校、大学、更にその上になった時に、

幼少期に様々な競技を通じて、様々な身体の動かし方を身に着けている選手のほうが高いパフォーマンスを発揮する可能性があるのです。

フィジカルを培う

バスケットはドリブルやシュートが特異的な動作ですが、それがどんなに上手くても高いレベルで活躍することは難しいです。

なぜなら、基本的なダッシュ、ジャンプ、ストップ、回旋を伴う動き、相手との接触など、もっと根源的な部分で差があると試合では全く通用しないからです。

これがワールドカップでバスケ日本代表選手が口にした「フィジカル」というやつです。

フィジカルと言っても様々な捉え方があると思われますが、ようは小手先のドリブルやシュート技術ではない根源的な、肉体的な部分ということです。

例えば、幼少からバスケットのみでこのフィジカルを鍛えていくのと、様々な競技を通じでフィジカルを鍛えていくのではどちらが身体操作と言った面で有利でしょうか。

おそらくスポーツ先進国のアメリカは、こうした面をかなり重要視した育成を古くから、もしかすると感覚的に理解し、実践してきたのかもしれません。

マルチスポーツを実践していたスーパースターたち

ここでのマルチスポーツは、他競技にも参加していた、という理解でお願いいたします。正式には並行して行うこと?というニュアンスが強いようですが…。

実際に世界で活躍するスーパースターも幼少期に別競技を行っていることが非常に多いようです。

あの八村選手も幼少期に野球をしていたことは有名ですよね。

ある調査ではオリンピック選手の多くが幼少期に他競技にも参加していたというデータもあるようです。

少し調べた範囲で載せてみようと思います。(信憑性は高くありませんのでご注意を…!)

選手競技時期
マイケル・ジョーダン野球少年時代、引退後
コービー・ブライアントサッカー少年時代
ティム・ダンカン水泳14歳頃まで
スティーブ・ナッシュサッカー少年時代、引退後
アレン・アイバーソンアメフト高校まで
レブロン・ジェームスアメフト高校まで
ステフィン・カリー野球少年時代
クレイ・トンプソン野球少年時代

短時間でこれだけ出てきます。

アメリカのスポーツ環境では、むしろNBA選手でバスケ一本でやってきた選手のほうが珍しいのかもしれません。

アレン・アイバーソンやレブロン・ジェームスはアメフトでもスーパースターだったというから驚きですよね。NFLでも十分に活躍できたそうです。

日本のBリーガー達はどうなんでしょう。

早期の専門化がもたらすもの

最近の研究報告によれば、ケガ燃え尽き症候群など、その競技を継続するのにはネガティブな影響が出る可能性は十分にあるようです。

そうなってしまえば、将来的なパフォーマンスにも影響は出てもおかしくはありません。

早期専門化によるケガのリスクから考える

早期専門化によってリスクが高まる主なケガは、オーバーユースに起因するものです。

つまり、特定部位の使いすぎというやつです。

特定の競技に参加していれば、その競技特有の動作による特定部位の使いすぎが発生することも容易にイメージできます。

そして、それはつまり別の動作を経験する時間を浪費していると考えることもできます。

バスケ選手で言えば、サッカーの蹴る動作や、野球のような投球動作、打つ動作、ラグビーのようなタックル動作、それを受ける防御的な動作、これを全く経験せずに身体は発育していくわけです。

これは身体的なことのみならず、空間認知など感覚的な面でも言えることです。

早期専門化は悪いことだけ?

実はそういうわけでもありません。

水泳やバレエ、飛び込み、新体操、フィギュアスケートといった競技では早期専門化が必要であるという見解もあります。

これらの競技に共通することは、競技に必要とされる動作がかなり特異的で、他競技と似た部分が非常に少ない点、そして、選手のピークが比較的早いという点です。

水泳でいえば、戦場は水の中ですから、陸上競技とはやはり大きく身体の使い方自体が異なります。

新体操でいえば、あそこまでの柔軟性を求められる競技は少なく、そして、多くの選手が20代で競技を離れていきます。

実際に、現在の日本の新体操ナショナル選抜団体メンバー13名の平均年齢が19.7歳ですから、

新体操という競技で戦うためには選手としてのピークをその時期に持ってこなければならないということができます。

ちなみに、バスケ日本代表男子は27.5歳です。
競技でここまで違うのですね。

となると、マルコム・グラッドウェル氏の1万時間の法則に則れば、毎日3時間欠かさず練習したとしてもおよそ8〜9歳には競技を開始しなければならないことになります。

(その競技の技能習得という意味で)

もっといえば、代表に入るまでに良い成績が必要なことも考えれば、競技はさらに早期に開始しなければならないことも容易に理解できると思います。

つまり競技によっては、あるいは選手としてのピークを考えれば、一概に早期専門化が悪いとはいえないわけです。

野球でいえば、甲子園に選手としてピークを持ってきたいのであればやはり8〜9歳、それ以下から専門的に競技に参加する必要があるのかもしれません。

おわりに 今なにをすべきか

ではバスケ選手として活躍するためにはどうすればよいのでしょうか。

残念ながら結論は出ていません。

早期にバスケの技能を高めることをしなければ得られないプレー環境があり、そのほうが選手としての可能性が広がるという現状もあります。

一個人でどうにかできる問題ではありません。

ただ、保護者として、選手として自分のキャリアを考え、練習を工夫することはできるのではないかと思います。

例えば、

「僕は将来NBAで活躍するんだ!」とお子様が言うのであれば、他競技の重要性を上手く説明し、示してあげればよいでしょう。

「私はウィンターカップで優勝して、その後はお医者さんになる!」と言うのであれば、今から専門的にバスケに取り組むべきかもしれません。

競技のレベルではなくとも、バスケの練習が休みの日にサッカーや野球、バドミントンなど他のスポーツをしてみるのも良いでしょう。

今はバスケに夢中でも、将来全く別の競技に興味を持ち、オリンピック選手になってしまうかもしれません。

子どもたちの可能性は無限大です。

それを我々大人が「バスケ!」に絞らないという姿勢も重要なのかもしれません。

是非お子さんと話してみてください(^^)

長文失礼いたしました。

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この記事を書いた人

“痛みのないバスケ”を目指し活動している理学療法士です。
バスケ選手の身体の使い方を分析し、それに必要なケア・トレーニング方法などを日々考えています。
機能解剖学的視点から新たなシュート理論を構築中です。

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