SNSで色々なトレーニングが流れてくるけど、
子どもにも使えるのかなぁ
たしかに、カッコいいものもありますよね。
でも、やはり注意は必要です。
こんにちは!BMSL(@Basketball_MSL)です!
今回のテーマは「子どもの身体特性をベースに考える!」です。
最近、SNSなどで様々なトレーニングの情報が手に入る時代になりました。
最新のトレーニングやNBA選手がやっていることを気軽に知れるのは、非常に良いことだと思います。
ただ、それを見て
「よし!うちのミニバスでもやらせよう!」と安易に考えるのは少々危険です。
この回では、子どもの身体特性という視点から「なぜ?」をお伝えできればと思います。
- 本記事の筆者
子どもの身体特性
子どもの身体って一体どんなものでしょうか。
成長期の子どもたちの身体を理解するためにとても重要な言葉があります。
「Children are not just little adults.」
子ども達の身体は、大人の身体を小さくしたものではない。という意味です。
つまり、子どもたちの身体には、大人の身体にはない、これから大きくなるための機能と構造が詰まっています。
これを理解せずに、練習などを通じて子どもの身体に負荷をかけるのはとても危険です。
かなり普及した知識ではあると思いますが、復習も含めてみていきましょう!
子どもの骨
子どもの骨には、これから大きくなるための構造が詰まっています。
骨は横にも縦にも大きくなりますが、特に縦に大きくなります。これが身長の増加の要因です。
骨を縦に伸ばすために子どもの骨には「骨端板(骨端軟骨、成長軟骨)」という構造があります。
この構造があるために、骨は縦にどんどん成長することができます。
しかし、どんどん伸びることができる、ということは逆に言うと「まだ柔らかく、しっかりしていない」ということでもあります。
図でみてみましょう。
この骨のてっぺんから少し下の部分(ピンク色)が骨端板と呼ばれる部位で、骨のもとが発生します。
柔らかい部位なのでレントゲンでは黒く線があるように写ります。
そのため、骨端線と呼ばれます。
実際にどのように見えるか気になる方は「骨端線 レントゲン」で検索してみてください。
この骨のもとは徐々に大きくなり、それによって骨は縦にどんどん伸びていくのですが、
骨端板は非常に需要な機能が詰まった部分であり、脆い部分でもあります。
そのため、間違った練習方法によって過剰なストレスに晒されると、骨端板付近が壊れる場合があるのです。
これを「骨端症」と呼びます。
有名なシーバー病、オスグット病も骨端症に分類されるんですよ。
聞いたことある!
なるほどなぁ。
子どもの筋肉
筋肉は骨と骨をつないでいます。これは大人も子どもも同じ。
ただ、骨が伸びた分、筋肉は上下に引っ張られるかたちになります。
となると、通常よりも張力がプラスして加わることになるため、グングンと身長が伸びている時期には注意が必要になります。
図で見るとこんな感じ。
こうした状態で、さらに、筋肉を使いすぎたり、硬いまま放っておいたら大変なことになりそうですよね…。
実際にオスグット・シュラッター病などで病院に訪れる若年の選手は、足やモモの筋肉がパツパツになっていることが多いです。
多くの骨端症は筋肉による張力がキーポイントになってきます。
急激な身長の伸びに加え、身体の使い方に問題があると、発症のリスクは高まるといえます。
そもそも筋肉が張りやすい状況なのに、それを放っておいたら…
子どもの神経
子どもの時期には神経系がよく発達するということを聞いたことがあるのではないでしょうか。
まさにその通りで、「スキャモンの成長曲線」によると、
赤ちゃんの頃から小学校卒業あたりまでに急激に神経系が発達します。
ここで身体の動かし方などを学習していくと言われています。
「小さい頃には筋トレをするのではなく、リズム運動などをしましょう。」とよく言われますよね。
といっても赤ちゃんや幼稚園生ではこうしたことを練習させることは非常に難しいです。
できたとしても遊びを通して体を自然と動かす程度だと思います。
もちろん、この時期はこれで十分です。
しかし、小学生くらいになると、トレーニングとして体を動かすことがができるようになります。
こちらの言ったことを理解でき、神経系に良いトレーニングができる小学生時代は、選手にとっては非常に重要な時期であるといえます。
ただの遊びから、トレーニングとして体を動かせる時期になってくるのか。
といっても遊びほど重要なこともありませんけどね笑
クラムジーという言葉を知っていますか?
スポーツ業界では、成長期の子どもに起こる一時的な運動能力の低下を指す言葉です。
急激な身長や体重の増加により、これまでの身体バランスが崩れ、これまで上手くできていたことができなくなることをクラムジーと呼びます。
これには神経の働きが関わっていると考えられており、
これまでの感覚と実際の身体の大きさ・重さの間にズレが生じ、動きが下手になるという説があります。
時間経過とともに神経が現在の身体のサイズに馴染むことで、クラムジーは解消されていくものと思われます。
もう少し勉強した後に記事にしますね。
子ども身体特性をベースに考えるということ
ほんの一部ですが、子どもの身体特性を紹介しました。
やはり大人と子供では、そもそもの構造や機能が大きく異なり、まさに紹介したように
「Children are not just little adults.」と言えるのではないでしょうか。
つまり何が言いたいのかというと、
「大人と同じ方法によるトレーニングや練習は子ども向きではない」ということです。
最近では多くのトレーニングや練習方法が紹介されていますが、その殆どは大人の構造を対象としたものです。
そのトレーニングのもとになっている科学的な手法を用いた研究も、実はたくさんの大人を集めて行ったデータであることが多いのです。
なので、「科学的だから」、「エビデンスがあるから」といってネットやSNS上にある情報をそのまま子どもに適応させるのは危険です。
もちろん、NBA選手がやっていたから、というのも。
バスケの練習でも、頻度、時間、強度など大人のデータをもとに組み立ててはいませんか?
休養、栄養、睡眠、遊び、バスケ以外の環境や生活も大人と同じではありません。
是非もう一度「Children are not just little adults.」を、今一度考えてみてください。
おわりに
いかがだったでしょうか。
子どもの身体には可能性が詰まっています。
そうした身体特性を理解せずに、トレーニングや競技に取り組むと、ケガのリスクを高めてしまうでしょう。
もしかすると、その子の将来の可能性を狭めてしまっているかもしれません。
勝つためには体に負荷をかけ、より強くしていくことが定石ですが、子どもの身体特性にあった負荷のかけ方を考えていく必要があります。
子どもにとっては将来活躍するための大切な時期ですから、それを取り巻く大人たちは最大限のサポート、努力をしていきたいですね(^^)
BMSLではそのサポートを全力で応援させていただきます!
長文失礼いたしました。
コメント
コメント一覧 (1件)
[…] 子どものスポーツ障害の記事での言葉ですが、これはケガだけに言えることではありません。 […]