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【アキレス腱断裂術後】のリハビリ

アキレス腱断裂で手術した場合、どんな経過をたどるのか知りたいな

バスラボ

これまで担当したケースを紹介しますね。
個人が特定されないように情報は一部加工していますが、参考にしていただければ幸いです!

こんにちは!BMSL(@Basketball_MSLです!

この記事では実際のケガから復帰までをケーススタディとして紹介していきます。

今回は「アキレス腱断裂術後」のケースを紹介します。

アキレス腱を断裂してからどの様に復帰していくのか、その流れがわかるかなと思います。

それでは参りましょう!

  • 本記事の筆者
BMSL管理人について
目次

ケース情報

バスラボ

まずは基本情報です。

  • 診断名:アキレス腱断裂
  • 年齢:40代
  • 性別:男性
  • 競技:バスケットボール
  • 練習頻度:週1回 2時間程度
  • これまでの怪我:捻挫など
  • 要望:バスケット復帰

同年代…

バスラボ

アキレス腱断裂は30〜40代に起こりやすいことがデータでわかっています。
この方もまさにその年代ですね…。

アキレス腱断裂は受傷のピークが2つあることで有名です

1つはこの患者さんのような30〜40代、もう一つは50代以上になります。

逆に言うと、10〜20代では珍しいケガとも言えます。

腱の弾性や治癒・回復能力の低下と、その状態に見合わない負荷によって受傷のリスクが高まります

アキレス腱断裂の経緯

アキレス腱
バスラボ

なぜ断裂にいたったのか?を知ることはとても大切なことです。
リスク回避をする上でも実際に断裂した人の話は聞いておいて損はないでしょう。

不謹慎かもしれないけど、めっちゃ気になる!

この方は、子どもがミニバスを始めたことで、自分もバスケを始めた方です。

やり始めて1ヶ月での受傷となりました。

昔、自身がバスケをやっていたこともあり「当時の感覚と、現在の体の状態に乖離があった」と言えるかもしれません。

練習は週1回、2時間程度で決して強度の高い練習ではないようでした。

少し具体的に見ていきましょう。

受傷のタイミング:準備体操中

じ、準備体操中だと…?!

バスラボ

実は結構あるあるかもしれません。
準備体操の負荷ですら、当時もアキレス腱の許容を超えていた、ということです。

いつものように準備体操を行っている途中で、足を後ろから蹴られたような衝撃があったとのことでした。

アキレス腱断裂の場合、多くの方が何かしらの衝撃や音(腱が切れるときの音)を感じます。

まず衝撃を先に感じ、その後に痛くなってくるようです。

受傷後のこと

その日は、なんとか自宅に帰り、翌日の病院でアキレス腱断裂の診断を受け、手術となりました。

バスラボ

「なんとか歩けた」もよく聞きます。
ただ、踏ん張りは全くきかないとのことですよ…。
登山中に受傷し、なんとか下山したという人もいました。

登山中…絶望でしかない。

入院と手術

アキレス腱断裂の治療は、手術療法と保存療法がありますが、この方は手術療法を選択しました。

バスラボ

手術と保存どちらが良いの?という研究は多くされています。
最近では、両者に大きな差はない、という研究結果が多いようです。
もし悩んでいるのであれば、主治医にしっかり相談しましょう。
メリット、デメリット、どちらも説明してくれるはずです。

手術は無事に成功し、その後ギプス固定のまま退院。

2週間ギプス固定を行い、診察にてギプスカットと抜糸。

その後、装具を装着しリハビリ開始となりました。

最初はギプスで、その後、装具になるのか。

バスラボ

病院によって異なりますが、まずはしっかり固定しよう、というのがスタンダードかなと思います。
あのガンダムのような装具、夏は暑くてて大変みたいです。

治療経過

先程も書きましたが、リハビリのプロトコール(どのように進めるかの指針)は病院や治療方法によって異なります

参考程度に読んでいただければと思います。

具体的に術後の経過を見ていきましょう。

術後2週間

術後2週からリハビリを開始。

かかとの高い装具を装着し、荷重開始

足首の運動も許可がでました。

手術をして2週間はリハビリしないの?

バスラボ

このあたりの方針は医師によって異なる印象があります。
「固定しているだけだし、やることないでしょ?」と考える医師はリハビリ処方を出さなかったりします。
もちろん手術翌日からリハビリする場合もあります。
その場合は主に患部外(アキレス腱以外)のリハビリになるでしょう。

術後2週の状態
  • 炎症

炎症所見はなし。痛みもなし。

  • 可動域

背屈−15°、底屈45°。足の指の動きも良好。

  • 筋力

ふくらはぎの筋肉にはほとんど力が入らない。

  • 日常生活動作

装具装着により体重がかけられるようになったため、片松葉杖での歩行が可能となる。

バスラボ

手術した足に体重がかけられるようになると(荷重)、生活が非常に楽になります。
足の筋力低下も最低限は予防できますから、早期の荷重メリットは大きいですね。

それでもまだ、足首は動かないわ、筋肉は働かないわで大変そう…。

術後3週間

手術直後の場合、1週間でも大きく状態が変化していきます。

常にその状態に見合ったリハビリを行うことが早期回復の鍵となります。

術後3週の状態
  • 可動域

背屈−10°、底屈45°

  • 筋力

ふくらはぎに力が少し入り始める。

  • 日常生活動作

装具を装着し、杖なしで歩行もできる。電車での通勤も可能となる。

3週間で杖無しで歩ける人もいるのか。
通勤もできるのね。

バスラボ

そうですね。
ただ、活動量が増え始めるこの時期は注意が必要です。
痛みもないことが多く、「あれ大丈夫じゃん」という過信が生まれがちです。

でも装具をしていれば安心でしょう?

バスラボ

それがですね、一人だけ、装具をした状態で再断裂した方を知っています。
雨で滑って足をドンッとついた際に、手術で縫い合わせた部分が切れたようです。

……。

アキレス腱はふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)につながる腱です。

いくら装具をしていようと、急激な負荷により下腿三頭筋が強く収縮すれば、当然、腱に強い張力が生じてしまいます

装具装着可での再断裂はレアケースですが、常に注意が必要になります。

術後1ヶ月

装具のかかとの高さを徐々に下げ始め、装具をしない状態での歩行を目指したリハビリが開始されました。

最初は、かかとが高い状態で固定しているということか

バスラボ

かかとを高くすると、アキレス腱に張力が生じにくくなります。
そのため、ある程度、腱が治癒するまではこの状態で固定することが多いです。
そこから徐々にかかとを下げ、腱に張力が生じるような環境にしていきます。

術後1ヶ月の状態
  • 可動域

背屈−5°、底屈45°

  • 筋力

ふくらはぎの筋肉が盛り上がる程度には力がはいるようになる。つま先を尖らせた状態で力を入れる練習を自主練習として指導。

  • 日常生活動作

装具を装着していれば日常生活には問題ない。装具を外して歩くのは恐怖感あり。

バスラボ

装具を外すためには、装具無しで体重を支える練習をしなければなりません。
腱にはそれなりの張力がかかるので、不安感を訴える方も多いです。

手術で固くなっているアキレス腱にピンと張る感じが来るってことでしょ…?
想像しただけでも恐ろしい…。

術後2ヶ月

超音波検査にてアキレス腱縫合部がしっかりと付いていることが確認されました。

それにより装具をなくし普通の靴へ。

ふくらはぎの筋肉強化訓練が本格的に始まります。

バスラボ

超音波検査は、簡単に腱の状態を確認できるので、非常に便利です。
腱がついていることが確認できれば、あとは段階的に負荷を上げていくことができます。

やっとガンダム装具からおさらばか。

術後2ヶ月の状態
  • 可動域

背屈5°、底屈45°

  • 筋力

両足でのかかと上げが可能だが、身体が手術していない方に傾く。まだ、術側で体重をのせて力を入れることに不安感がある。

  • 日常生活動作

普通の靴ではヒョコヒョコと歩く。仕事の関係で歩き過ぎると、アキレス腱付近に痛みが出ることもある。

バスラボ

アキレス腱断裂は年代の特徴もあり、仕事をしなければならない場合がほとんどです。
そうなると、職業によっては過負荷になり、痛みが長引いてしまうこともあります。

装具も杖もないから、普通に何でもできると思われちゃいそう…。
職場への説明も必須だなあ…。
でも迷惑かけちゃうだろうし…。

バスラボ

そのあたり、やはり大変そうです。
ケガなんてしないに越したことないですね…。

術後3ヶ月

状態によってはジョギングなどが許可される時期になりますが、この方はふくらはぎの筋力回復がやや遅く、このタイミングでは許可されませんでした。

再断裂の可能性も考えて、しっかりと片脚のかかと上げができるまではジョギングしないという共通意識のもとリハビリを継続していくことになります。

バスラボ

「術後3ヶ月でジョギング開始」を目指す病院は多いです。
もちろんこの方も目指していましたが、状態の回復には個人差があるもの。
可動域や筋力が不十分であれば、許可は出せません。

焦って無理に始めても良くない…。
状態をちゃんと見て判断してくれたほうが安心するな。

術後3ヶ月の状態
  • 可動域

背屈10°(非術側と同じ可動域を獲得)、底屈45°。

  • 筋力

片脚でのつま先立ちは困難。かかとは2cm程度は上がるが、膝が曲がってしまうなどの代償動作がみられる。かかと上げやチューブトレーニングを中心としてふくらはぎの筋力トレーニングを敢行。

  • 日常生活

階段の下り動作のみが困難であり、踏ん張らずにヒョイっと降りてしまう状態。ふくらはぎの筋力低下により片足で体重を支えられない。

バスラボ

この術後3ヶ月頃に再断裂が多いことがデータでわかっています
ジョギングが始まるなど、活動量や負荷が上がる時期だからでしょう。
最新の注意が必要な時期です。

不十分な状態で運動許可が出ないのはこれ(再断裂)もあるからか…。

術後4ヶ月

ついに!片脚のかかと上げが十分にできるようになったため、ジョギングが許可されました。

走り始めは不安感はあったようですが、疼痛なく距離や速度も上げることができ、久しぶりに体育館での軽いシュート練習も可能となりました。

軽いシュート練習ならもっと前にできそうなもんだけど…?

バスラボ

シュートだけならそうかも知れません。
が、リバウンドボールを追いかける際に「急な動きを絶対にしない」という自信がありますか?
これ、意外と難しいんですよ…。
なので基本的には「動けるようになるまで体育館に行かないほうがいい」と伝えることが多いです。

…確かに。
追いかけて、ケンケンして、バランス崩したら……

術後4ヶ月の状態
  • 可動域

左右差なし。

  • 筋力

片脚かかと上げ安定して可能。疼痛、不安感なし。少々反動をつけたかかと上げも可能。

  • スポーツ動作

ジョギング許可。疼痛なく可能。両足の小ジャンプであれば安定して可能。

  • 競技特異的動作

ゆっくりとしたサイドステップや、方向転換動作の練習。レイアップは禁止。その場で軽いシュート練習のみ許可。

術後6ヶ月

100%のダッシュやジャンプ、方向転換以外の動作はほぼ許可されました。

練習後にアキレス腱に痛みが生じることもありましたが、セルフケアで対応できる程度。

対人練習はまだ不安感があり、できていない状態でした。

バスラボ

これくらいの時期になると、リハビリでは飛んだり跳ねたりと、かなり騒がしい感じになってきます。
リハビリの頻度も減ってくるため「自己管理」が超重要になってきます。

それこそ痛いのに無理していたら良くないもんな。
やっぱり最終的には自己管理か。

術後4ヶ月の状態
  • スポーツ動作

加速走ができるようになり、減速動作も不安感なくできるようになってきた。

片足ジャンプはまだ着地音やリズムなどに左右差が若干ある状態。

  • 競技特異的動作

レイアップも徐々に許可され、バスケらしい動きができるようになってきた。

100%の対人練習は不安感のためできないが、軽いディフェンスであればできる。

術後10ヶ月

対人練習ができるようになり、軽めにゲームなどにも混ざれるようになりました。

試合の出場はまだですが、週1回のバスケを楽しむレベルにまで到達。

片足ジャンプはまだ左右差がありましたが、大きな問題にはならないと医師に判断され、リハビリ終了となりました。

バスラボ

その後、再断裂の報告はありません。
元気にスポーツを楽しんでいることを願っています

完璧な状態までリハビリするわけじゃないんだ

バスラボ

実は、医療保険の制度上、難しい面があるんです。
リハビリは患部状態や必要度を含めて、医師が判断することになっており、100%の状態まで病院でリハビリができるという状況は少ないです。
競技復帰において、病院と実際のスポーツの場との間に”隙間”があることは事実ですね…。

なるほどなぁ…。

おわりに

いかがだったしょうか

簡単にですが、アキレス腱断裂術後の経過をお伝えしました。

断裂から手術、競技復帰までのリハビリは、個人差・病院差がありますが、大体このような流れで進んでいきます。

このケガにおいて、とにかく避けなければいけないのが「再断裂」になります。

しかし、再断裂を恐れるばかりで安静にしていては、いつまでも競技復帰をすることはできません。

適切な状態の分析と負荷量の調整がこのケガの肝と言えるでしょう。

このケガは中高年で多いため、活動量の調整(仕事量など)やリハビリ頻度などの面において難しい印象があります。

ただ、しっかりと医師、リハビリスタッフ、本人、家族など、チームでリハビリに取り組むことができればスポーツ復帰もできるケガです。

現在リハビリ中の方は、しっかりと焦らずに取り組んでいただければと思います。

そして、今現在楽しくスポーツをしているお父さん、お母さんには、このケガをしないように全力で自己管理をすることをオススメしたいと思います。

ケガはしないのが一番ですからね。

長文失礼いたしました。

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資料タイトル一覧

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この記事を書いた人

“痛みのないバスケ”を目指し活動している理学療法士です。
バスケ選手の身体の使い方を分析し、それに必要なケア・トレーニング方法などを日々考えています。
機能解剖学的視点から新たなシュート理論を構築中です。

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