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【Bリーグ】富樫勇樹選手のシュートシーンから“身体の使い方”を考える!

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こんにちは。

BMSL(@Basketball_MSL)です!

今回もプレー分析です!

注目したプレーは、千葉ジェッツ#2富樫勇樹選手のシュートシーンです。

富樫選手といえば、背が小さくても世界で戦えるということを証明し続ける、まさにスーパーなプレイヤーでしょう。

そのスピード、パスセンス、シュート、ディフェンスどれをとっても超一流と言っても過言ではありません。

そんな富樫選手のプレーから、面白いシーンがあったのでそこから身体の使い方を考えてみたいと思います。

今回はフォームの話ではありません…笑

目次

千葉ジェッツ Vs 三遠ネオフェニックス

2018.10.13の試合です。

まずは動画を見てみましょう。

動画は1Q序盤での千葉ジェッツの攻撃で、千葉の初得点シーンです(0:41〜)。

富樫選手はトップの位置で待機し、右サイドにボールを持った#1ダンカン選手がいます。

富樫選手は右サイドへランニングし、ダンカン選手からパスを貰います。

パスキャッチの後、ダンカン選手のスクリーンを利用して自分のマークを振り切り、シュートまで持っていくというシーンです。

もちろんシュートはリングに収まり3点を幸先よく、効率的に獲得しました。

特段注目ポイントなど無い、普通の攻撃のように見えますが、富樫選手ならではの動きがここには隠れています。

走行の軌道

このシーンに置いてまず注目するのは、走行の軌道です。

動画で見てみましょう。

富樫選手の位置を追ってみると、大きな弧を描くような軌道でランニングしているのがわかります。

バスケットと言うと、相手を振り切るシーンでは直線で走るイメージがあるのではないでしょうか。

スクリーンを利用するとなると、さらに直線的に仲間とすれ違うというイメージがあるかもしれません。

しかし、富樫選手は直線ではなく、1歩目から弧を描くような軌道を見せます。

これにまず反応したのが、富樫選手のマークマンである#4寺園選手です。

このゲームでは、富樫選手対策に密着ディフェンスを言い渡されていたのでしょう。

富樫選手の走行軌道からサイドでボールを受けられることを懸念し、約3m空いていた距離を詰めて前に出てきます。

しかし、結果的に見ればこれが裏目に出てしまいます。

相手を引き出すことに成功した富樫選手は、狙い通りスクリーンプレーに向かい、ダンカン選手もついてくる相手を引っ掛けるために体の角度を調整します。

つまり、ランニングの初動が弧を描いたことで、相手は引き出されてしまい、それがスクリーンをかけるには理想の形になっていたということです。

最初から直線的にダンカン選手の方に向かっていくと、寺園選手はもしかするとダンカン選手のインサイドに抜けたかもしれませんし、そもそも先にコースに入られスクリーンすら利用できなかったかもしれません。

このシーンでは、大きな弧を描くことで相手をスクリーンに引っ掛けることができたと言えるでしょう。

これもハイレベルな駆け引きであることに疑いの余地はありません。

富樫選手が動き始めにどのようなイメージを持っていたかはわかりませんが、寺園選手の動きを見てスクリーンをかけやすくなったという判断はしていると思います。

こちらは身体の使い方というか、コートの使い方ですね…。

直線的な走行軌道は攻撃側にとっては最短距離を目指せますが、それはディフェンスにとって有利になることもあります。

逆に、弧を描くことで一見遠回りのように見えて、ディフェンスをトラップにかけることもできるということでしょうか。

コートが狭いバスケットでも、最近より広く使うことが推奨されているのはこういった側面もあるのでしょう。

さて、身体の使い方はここからです!

弧を描くことで生まれたシュートシーン

先程、弧を描くことでまんまと相手を振り切った富樫選手ですが、ここから彼の得意な3Pシュートをしっかりと沈めます。

プロだからこれくらい決めて当たり前でしょうか?

そうではありません。

実は、より確率を高めるための工夫が隠されているのです!

もちろん、富樫選手のシュートが上手いことは言うまでもありませんが、このシーンでは、より彼のシュートが入りやすい設定がなされているのです。

どうでしょう?なにか思いつきますでしょうか。

ここには、あの弧を描くことで生じた走行軌道がとても効果的に関係しています。

富樫選手の得意なシュートまでの走行軌道

みなさんの頭の中で、富樫選手の印象に残っているシュートはどういった形でしょうか。

私の頭には、フロントコートにドリブルで入ってきて、セットプレーかと思いきやストップ、シュートでとても簡単に3点をとってしまう富樫選手が浮かびます。

つまり、左右に相手を振り切ってのシュートというよりは、縦に抜いてのシュートという形が多いと思いませんか

こんな感じのシーンです。

左右に相手を振り切ることとても一流なのですが、縦に抜いてのシュートが圧倒的に多い印象です。

これは、持ち前のスピードで相手を縦に抜けてしまうからでしょうね。

話が少し逸れましたが、つまり、富樫選手はリングに向かって正面から侵入してのシュートを非常に得意としており、今回注目したシーンでもそれを再現しているのです。

弧を描くことで相手を振り切ることに成功しているのですが、更にそれがリングに向かって正面から侵入するための走行軌道ともなっているということです。

図にしてみるとイメージしやすいでしょうか。

これを見ると、このシーンが富樫選手の得意な設定がバッチリと用意されることがわかります。

となれば、富樫選手が迷わずにシュートを打ったことも全く不思議ではないですよね。

今回言葉のチョイスとして「侵入」と「進入」で迷いましたが、
相手のコート、陣地に「侵入」するということで、こちらをチョイスしました。

リングに対する侵入角度とシュートストップ

では、なぜ富樫選手は正面の侵入角度を好むのでしょうか。

ここにもしっかりとした理由があります。

リングに対する侵入角度が変わると、身体に加わる力の方向が変わります。

となると、ストップ動作にも違いが出てくるのですが、まずはシュートの事自体を考えてみます。

シュートは侵入角度がどのような角度であろうが、リングに向かってまっすぐ飛ばすことが求められます。

ということは、正面から走ってきてボールを投げるのと、横から走ってきて投げるのとではどちらがリングに向かって真っすぐ飛びやすいでしょうか。

もちろん正面ですよね。

ボーリングで助走を真っ直ぐにとるのはこのためです。横から走って投げる人はいません。

これは力の方向を別方向に変換するという複雑な動きをする必要がないからです。

身体に加わる力の方向をそのまま素直にボールに伝えることができれば、それに越したことはありません。

つまり、ストップ動作も非常にシンプルな動作となります。

これまで左右の体幹の傾きなどについて記事を書いてきましたが、

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正面から侵入する場合は、この体幹の傾きもそこまで気にする必要がありません。

そのまま真っすぐ走って止まれば良いのですから。

こういった最もシンプルな身体の使い方でシュートができるということは、シュートにおいて重要な再現性を高く保つことができるということに繋がります。

富樫選手のシュート成功率が高いのも納得ですよね。

今回注目したシーンもまさに、正面からの侵入でした。

ただ、こういったシュチュエーションが偶然作られ続けているわけではありません。

富樫選手の縦への突破力がリングへの正面侵入を可能すにすることもあるでしょう。

ただ、今回注目したシーンを考えれば、

  • 弧を描くような走り出し、
  • 相手の動きを見てスクリーンの利用、
  • 自分の得意な侵入角度の理解と思い切りの良さ

これらが作り出した、思惑通りのシチュエーションであったと言えるのではないでしょうか。

 


いかがだったでしょうか。

身体の使い方というよりは、コートの使い方といった側面が強かったかもしれませんね…。

ただ、コートを上手く使うことが、ストップやシュートの姿勢に余裕をもたせることにつながるということはバスケにおいても重要な視点でしょう。

また、富樫選手のように自分の得意な侵入角度を理解しておくということも、ポイントゲッターには必要な能力だと思います。

得意な位置を意識している選手は多いかもしれませんが、侵入角度まで気にできている選手はどれほどいるでしょうか。

もし「!!?」と思ったら、是非練習で気にしてみて下さいね(^^)

それにしても素晴らしいプレーでした!

ゴージェッツ!!

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この記事を書いた人

“痛みのないバスケ”を目指し活動している理学療法士です。
バスケ選手の身体の使い方を分析し、それに必要なケア・トレーニング方法などを日々考えています。
機能解剖学的視点から新たなシュート理論を構築中です。

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